研究課題/領域番号 |
20K02414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
小野 由美子 東京家政学院大学, 現代生活学部, 准教授 (90727629)
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研究分担者 |
柿野 成美 公益財団法人消費者教育支援センター, 事業部門, 首席主任研究員 (50648110)
川崎 孝明 筑紫女学園大学, 人間科学部, 教授 (20421307)
上杉 めぐみ 愛知大学, 法学部, 准教授 (30583520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 消費者教育 / 家庭科教育 / キャッシュレス決済 / 脆弱な消費者 / 社会福祉 / キャッシュレス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、キャッシュレス決済の普及に伴い生じる諸課題を消費者の立場から整理し、その解決策として効果的な消費者教育のあり方を検討するものである。 消費者の視点からキャッシュレス決済の現状と課題を整理して、国あるいは各地域による共通点や相違点を見出し、学校教育と社会教育におけるキャッシュレス決済の取り扱いについて消費者教育の目指すべき方向性を探る。 さらに、消費者の中でも対象を絞り、高校生や若者と、高齢者や障害者などの「脆弱な消費者」がキャッシュレス化する社会で主体的な消費生活を送ることができる消費者政策や消費者教育の成果と課題を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、成年年齢の引下げに伴い契約主体者になることを18歳で求められる若者と、地域で暮らす支援の必要な消費者が、キャッシュレス社会が進む中で、消費生活上の問題を未然に防ぎ、早期に解決する力をつけるための消費者教育の方向性について検討している。 消費者教育の「受け手」の状況を把握するために高校生を対象に実施したキャッシュレス決済の現状と意識に関する質問紙調査では、以前実施した調査と比較すると、ネット通販とキャッシュレス決済の利用経験者が増加し、利用意向も高まっていた。コロナ禍による生活様式の変化が、キャッシュレス決済の促進に与えた影響の強さが自由回答欄への記述からも示唆された。 加えて本年度は、消費者教育の「担い手」について九州・沖縄地方の消費生活センター及び教育庁の担当者と、四国・中国地方の特別支援学校の教員に対するヒアリング調査を実施した。特に消費生活センターにおいては、地域住民の消費生活に関わる相談内容の特徴や近年見受けられる変化、学校教育と社会教育における消費者教育の動向、そしてキャッシュレス決済の取り扱い状況などを調べた。センター職員が入手した高校生の消費者トラブルの情報を、教育庁職員がすぐに学校関係のネットワークにつなげるなどして、消費者被害の未然防止に努めた事例や、成年年齢引き下げに伴って高校の授業やホームルームに活用してもらうための「消費者通信」を発信するなど、人と人のつながりを生かした社会的な対応が特徴的であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
消費者教育の「受け手」である高校生を対象としたキャッシュレス決済の現状と意識に関する調査については学会発表を経て、研究論文として取りまとめているところである。本年度に実施した消費生活センターと特別支援学校で実施したヒアリング調査を経て、次年度は地域で暮らす支援の必要な消費者がキャッシュレス化する社会で主体的な消費生活を送るための方策の検討を本格化させる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、キャッシュレス社会の浸透が進む中で困難さを抱える「脆弱な消費者」が抱える消費生活上の課題を検討し、求められる消費者政策や消費者教育のあり方を提示する。その手がかりとして、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業におけるキャッシュレス決済の利用状況に関する検討を進めて、関連領域の行政職や専門家と意見交換を図りながら研究成果のとりまとめにつなげる。
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