研究課題/領域番号 |
20K02423
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | 点字 / 触察本 / 感覚論 / 触覚論 / 実験現象学 / ディドロ / モンテーニュ / 葛原勾当 / リテラシー / 教育思想 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、17~18世紀ヨーロッパの感覚論において視覚中心主義的な認識を根本から問い直したディドロの「触覚論」を分析枠組みとして用いて、「点字(=触覚の文字世界)」と「触察本(=触覚の書物の世界)」に固有の人間形成的意義を、教育思想史の文脈において考察し、その内実を解明しようとするものである。そうして「見えないことの補足」として触覚を用いる「視覚支援的」教育とは異なる、触覚に固有の人間形成的意義に基づく新たな教育の方向性と可能性の探究と開拓を試みる。
|
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度には新型コロナウイルス感染症拡大の下で実施できなかった点字と触察本の実践に関する国内および国外での調査研究ならびに資料・史料収集を実施する予定であった。 しかしながら、本年度も新型コロナウイルス感染症の拡大状況が続いており、国内および国外での調査研究ならびに資料・史料収集を実施することができなかった。そこで、次年度に国内および国外で点字や触察本をめぐる実践についての調査研究や資料・史料の収集を実施するための準備作業を行った(Musee Valentin Hauy、Musee Louis Braille、国立民族学博物館などの訪問先の選定、ならびに、それぞれの訪問先でどのような調査を実施するかを具体的に検討した)。 さらに、引き続き文献研究も実施した。感覚論ならびに感情論を論じた思想家らのテクストを精読し(ジョージ・バークリー、ジョン・ロック、ドニ・ディドロ、ジャン=ジャック・ルソー、コンディヤック等の関連著作、加えてデイヴィット・ヒュームの『人間本性論』等)、特に17世紀から18世紀にかけての感覚・感情をめぐる思想史や理論動向をさらに精緻に把握した。近年盛んに研究されている「感情の歴史」に関する文献も精読し、「感情」や「感覚」への新たな歴史学的アプローチについても把握した。また、近年の触察本の刊行状況についても把握した。さらに、引き続き現象学に関する文献も精読し、点字や触察本を読むという実践の内実を考察・分析する視座・観点や方法論の可能性についても探った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内および国外での調査研究が実施できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度に、国内および国外での調査研究を速やかに遂行できるよう、準備作業を進める。
|