研究課題/領域番号 |
20K02425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
七木田 文彦 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40431697)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 保健科 / 戦後教育改革 / 授業実施率の低迷 / 雨降り保健 / 保健授業の実態 / 保健体育教師の声 / 保健科の分離 / 保健授業改革 / 独立教科 / 免許状 / 合科型教科 / 保健体育免許状 / 分離論 / 保健体育科 / 学校保健計画 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、「保健」の免許状のみを取得・保有しても教員採用はなく教職につくことはできない。本研究は、①戦後教育改革において「保健」の単独免許状交付に至る未完の「保健科」成立過程について明らかにすること、②戦後に誕生した教科は「保健体育科」(小学校は「体育科」)であるが、それとは異なる「保健」の免許状がなぜ準備され、今日まで継続しているのか、③「保健」免許状は教員免許状の単独保有では教員採用がなく、その機能は「保健体育科」教諭と養護教諭の専門的機能と関わってどのように変遷をたどり、維持されてきたのか、発足当初から制度的欠陥を有しながらも今日まで修正されることなく定着した紆余曲折の実態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
保健授業低迷の原因は、教員が学習内容に「学ぶことの意味(meaning)」と「価値(value and worth)」と「効果(efficacy)」を見出していないこと、つまり「不確実性(uncertainties)」が教師の複雑で繊細な感情(sentiment)を生み出す要因となっていた。 さらに「保健の授業は、最終的には個人に帰すること」、「学んだ内容がいつ自身の役に立つかがわからない(本当に役に立つのか)」など、保健が個人に寄与する内容であるがゆえの責任回避となっており、これを時数の少なさに原因を求めたり、教材研究ができない状況に求めたりしている現状にある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「保健科」は教育課程の標準装備と考える必然性について、教科は、時代における公教育、教科体系のあり方は常に変化することを必然として改革のヴィジョンを示すことが必要である。近年の健康教育は、新自由主義的な政策と親和性をもち、個人の責任を基本原理とする行動主義に立脚している。これに対し、ヘルスプロモーションの「参加」の概念は「コミュニティに権限を与えること」、「パートナーシップ」等の考えに注目し、バラバラに解体されつつある 個とコミュニティを「参加」と「対話」によって再構成する。「ケア」を中心にした「つながりの健康教育」は、21世紀型の教育として新たに学びをデザインできる改革の可能性を指摘した。
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