研究課題/領域番号 |
20K02427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
野平 慎二 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50243530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 人間形成論 / ビオグラフィ研究 / ドイツ / ハビトゥス / 規範性 / ドイツ教育哲学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ドイツ教育哲学における「人間形成論的に方向づけられたビオグラフィ研究」の重要な論争点である①人間形成論における主体の概念、②人間形成概念の規範性、という2点を取り上げ、人間形成論的に方向づけられたビオグラフィ研究の前提となる人間形成概念の理論的検討を行う。また、その理論的検討を踏まえて実際のビオグラフィ・インタビューを分析することで、人間形成概念と経験的な現実との接続の可能性について解明する。本研究を通して、教育哲学における質的、経験的な研究方法の発展と、「知識習得」や「能力形成」に限定されない、批判的意義を備えた人間形成概念の提示に寄与することを目指す。
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研究成果の概要 |
現代ドイツ教育哲学における「人間形成論的に方向づけられたビオグラフィ研究」の前提となる人間形成概念に関して、(1)人間形成概念の規範性、(2)経験的現実との整合性という2点について、理論的検討を行うと同時に、ナラティヴ・インタビューの分析と照合させながら検討した。(1)に関しては、「批判的反省性」が重要な条件のひとつとなることを明らかにした。(2)に関しては、インタビューにおける語りの社会的、言説的条件を解明することで、人間形成概念と経験的現実との架橋が可能になることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として、人間形成概念の規範性の条件のひとつを明らかにできたことが挙げられる。また、人間形成の社会的、言説的条件の解明に社会学的概念を援用する場合の留意点と課題を明らかにできたことが挙げられる。本研究の社会的意義として、自己や世界に対して批判的、反省的に関わりつつ自己を形成していく過程として人間形成を捉える視点を提示できたこと、また同時に、いわゆる汎用的能力の獲得の際にも批判性や反省性という契機が不可欠であることを明示できたことが挙げられる。
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