研究課題/領域番号 |
20K02433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
板山 勝樹 名桜大学, 国際学部, 教授 (80643535)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 同和教育思想 / 解放教育思想 / 同和教育 / 人権教育 / 教育思想史 / 思想の形成・変容過程 / 思想の選択/排除 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の教育学研究は,同和教育研究を欠落させてきた。そうした研究状況下で日本は今,教員の大量退職・採用時代を迎えており,これまで大切にされてきた同和・人権教育思想の継承・発展が緊急課題となっている。 そこで本研究では,初・中等教育機関における同和教育思想形成・変容過程に焦点化し,分析・考察を進める。戦後の同和教育をリードしてきた団体・人物の発言を分析・考察することによって,彼らが選択/排除した思想と,その選択/排除がなされた歴史的理由を解明する。本研究は,同和教育思想の形成・変容過程を実証的に明らかにする独創的なものであり,これまでの戦後同和教育史像・日本教育史像を描き直すものとして期待される。
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研究実績の概要 |
1.同和教育に法的裏づけを与えた同和対策審議会答申(1965年)、同和対策事業特別措置法(1969年)等が示した、一般地区と同和地区との「格差是正」によって部落差別の解消するとの戦略が、同和教育実践・運動に与えた影響を分析・考察した。 2.1970年代に同和教育の理論的リーダーであった横田三郎、鈴木祥蔵が展開した「解放の学力」論を分析・考察し、かれらの議論による思想的な進展と内包した課題を明らかにした。 3.1970~80年代に、『解放教育』誌、『現代教育科学』誌等に示された、各年度の同和教育実践・研究・運動を総括する論稿の分析・考察に取り組み、当時の同和教育、解放教育「内部」における課題と、関係者が抱いていた問題意識やかれらが考えていた今後の方向性等を明らかにしながら、思想変容の前提を探った。本作業は、同和教育の形骸化言説および、同和教育思想に対する内省的言説を収集する一環でもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
徐々に改善してはきているが、未だにコロナ禍の影響を受け、聞き取り調査の実施や現地に出向いての文献史資料収集、研究会・学会への参加が困難な時期もあった。一方で、オンラインの研究会に参加する等に取り組むことはできた。コロナ対応が緩和化される本年度は、聞き取り調査の実施や現地に出向いての文献史資料収集、研究会・学会への参加などに積極的に取り組みたい。
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今後の研究の推進方策 |
1.西日本の自治体などで、同和対策審議会が求めた同和教育基本方針の策定が進められたのであるが、その成果と課題を分析・考察する。 2.同和教育、解放教育における代表的な学力論者である木下繁弥の「解放の学力」論の展開を、「文化的差異を有する科学的・芸術的認識の形成」という視角から分析・考察し、その到達点と課題を明らかにする。 3.1970年代以降、全国同和教育研究協議会に集う実践者に一定の影響力を持った「四認識」論を、「文化的差異を有する科学的・芸術的認識の形成」という視角から分析・考察し、その到達点と課題を明らかにする。
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