研究課題/領域番号 |
20K02441
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 名古屋経済大学 |
研究代表者 |
田中 秀佳 名古屋経済大学, 人間生活科学部教育保育学科, 准教授 (00709090)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 教育財政 / 社会保障 / 教育制度 |
研究開始時の研究の概要 |
教育費は誰がどう負担すべきか。歳出のあり方をめぐるこの課題の本質を、(1)入り口である歳入(租税および授業料、学校徴収金、保育料など)のあり方と(2)相互関連する歳出領域である労働・社会保障分野のシステムのあり方を含めた分析によって明らかにしていく。教育の費用負担のあり方を考えることは、平たく言えば、社会においてどのように子どもの「面倒をみる」「世話をする」のが適切なのか、教育の適切なあり方を考えることである。子どもの権利、あるいは発達 、あるいは存在を保障する適切な方法を考え、それを持続可能なものとして制度化する方策を検討することが本研究の目的である。
|
研究実績の概要 |
当初予定していた研究計画のうち、関係論文と書籍を若干収集したほか、リモートによる研究会に参加し、本研究に関する情報の提供・収集・共有等をおこなった。研究活動としては論文化等のアウトプットの前段階にあたる基礎作業を実施するにとどまった。本研究対象である諸外国の財政政策について、予定していた調査を実施できていない。これはコロナウィルスの流行状況を契機としているが、今後改めて計画を遂行するのではなく、当初の計画を変更することとした。そのうえで、昨年度は、直接の調査を実施せず、代替的な方法を取ることとしていたが、申請者のその他業務および生活上の理由によって、研究時間の確保が困難となり、研究を円滑に遂行できなかった。このため、研究課題の一年延長を申請し、今年度を最終年度として研究を遂行する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究対象である諸外国の財政政策について、当初予定していた調査を実施できていない。これは上記のとおり、コロナウィルスの流行状況および申請者の労働・生活状況によって、研究環境の時間的確保が困難となり、研究が円滑に遂行できなかったことによる。期間内において現地調査を予定していたが、研究計画の変更をし、諸外国の政府統計や関係論文の収集について、直接の調査を実施せず、代替的な方法を取ることとする。所属機関には、科研費申請時に提出したエフォート率を達成できる研究環境を確保するよう再三求めてきたところであるが、これまで改善が図られていない。エフォート率を達成できる見込みが無いことから、研究計画を縮小することを前提とし、可能な限りでの研究を実施することとする。
|
今後の研究の推進方策 |
申請者自身のワークライフバランスが課題となっているところであるが、これは本研究のテーマにも関わる課題である。研究代表者自身の課題とリンクさせつつ研究の問題意識や課題設定を深める有意義な機会と捉えつつ今年度以降の研究期間において、進捗状況を前進させることとする。今年度は、昨年度十分できなかった研究計画を遂行したい。 具体的活動としては、今年度前半において、無償制度がより確立している国家を対象として、無償制度に関する教育財政・租税法制の整理をするため、政府機関の統計、関係論文などの情報収集をおこなう。また、無償制度が確立しているはずの欧州各国での私費負担や権利をめぐる問題状況を、国連社会権委員会の文書等により明らかにする。今年度後半には、私費負担の対象・費用の整理、比較分析のため、(1)無償制度が確立している北欧諸国の私費負担の詳細な調査・分析、(2)有償制を取っているアメリカの高等教育における授業料減免制度の調査・分析をおこなう。前者は、マクロな統計や情報は明らかにされてきたが、日本の「学校徴収金」に相当する費用および費目、私教育への家計支出など、その具体的内容はこれまで明らかにされておらず、未整理であるといってよい。前者については、当初計画にあった政府機関および教育機関に対する現地調査を変更し、直接的ではない方法により聞き取りや資料収集をおこないたい。後者については、アメリカの高等教育の授業料は一般的には「高い」とされているが、実際には学生の家計状況や社会的立場による減免制度が発達しており「実質的授業料」あるいは「正味の授業料」(‘net tuition’)という概念が一般化している。当初現地調査を予定していたが、まずは情報・資料収集を中心に行う。
|