研究課題/領域番号 |
20K02443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
水本 浩典 神戸学院大学, 人文学部, 名誉教授 (30140396)
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研究分担者 |
浅野 慎一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40202593)
金 益見 神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (60624004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 夜間中学 / 大学における教員養成 / 義務教育機関としての夜間中学 / 夜間中学生の学びの質 / 髙野雅夫夜間中学関係資料 / 教材としての夜間中学関係資料 / 形式卒業者 / 髙野資料 / 夜間中学卒業者 / 帰国者の就学 / 髙野雅夫 / 夜間中学卒業生 / 自主夜間中学 / 夜勉(よるべん) / 髙野雅夫資料 / 識字教室 / 夜間高校 / 教育実践 / 夜間中学生 / 学び |
研究開始時の研究の概要 |
①本研究では、過去70年にわたる夜間中学における教育実践及び夜間中学生の「学び」のなかに「独自の教育実践のノウハウ」や「学びの実態」に関する貴重なデータが存在するという「問い」を設定。 ②調査域は、近畿圏、特に大阪府下で1969年以降続々と設置された夜間中学を対象とし、貧困とは別の要因(部落差別、在日韓国朝鮮人、中国残留孤児受け入れなど)の地域特性を基礎に関係資料の収集や聞き取り調査から分析・抽出。 ③『学習指導要領』に準拠する昼の中学校にはない独自の教育実践内容について、50年以上の夜間中学関係資料の中から貴重な「答え」を発見し、未来の夜間中学・夜間中学生に継承することを目的とする。
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研究成果の概要 |
当初企図した夜間中学生及び夜間中学生への聞き取り調査によるデータ分析からのアプローチは、2020年度以降のコロナ禍下では不可能と判断し、一部研究手法を修正しながら実施していった。その成果を、以下のようにまとめた。 ①閲覧と調査を許可された夜間中学関係資料の膨大な資料群である髙野雅夫資料を、現代の大学生が学ぶことを通じて、夜間中学生たちの学びに関する状況を大学生が学び、将来に生かすことが可能であることを提示できた。 ②従来、見過ごされがちであった義務教育の学力修得の問題について、髙野雅夫から提供を受けた中学校卒業者による学力未達成に関するる問題提起について焦点を当てることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
夜間中学生及び夜間中学卒業生の学びを修得するための努力を、現代の大学生が将来自分自身が教育者に育つための有益な学びの材料になることを提示できた。つまり、夜間中学の新設だけに注力するのではなく、夜間中学での学びを充分認識し理解した教員を養成するためには、過去の関係資料である髙野雅夫資料などが非常に有益な教材となることを提示し得た。 「形式卒業者」と称して、中学校の卒業を単なる年限だけの終了でいいのか。義務教育として十全な学力を修得できなかった中学校卒業者が、髙野雅夫とともに鋭く問いかけた問題は、現代の義務教育の置かれている学力賦与の質の問題とも関連させて、重要な問題提起であることを指摘した。
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