研究課題/領域番号 |
20K02449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 健一郎 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (80291582)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 教育指導委員 / 琉球政府文教局 / 沖縄教職員会 / 教育援助 / 日本語教育 / 国語教育 / 沖縄国語教育研究会 / 現代沖縄 / 教育研究団体 / 沖縄派遣教育指導委員 / 文教局 / 近現代沖縄 / 琉球政府 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、琉球政府期(1952~72年)の沖縄において、ことばの教育がどのように展開し、沖縄の人々の生活や文化を変えたのか(変えなかったのか)を明らかにすべく、教育政策および実践の意図とその実態ならびのそれらの乖離について、「方言札」などの教育方法に注目して実証的に明らかにすることをめざすものである。 そのために、琉球政府文教局の施策、日本政府文部省の沖縄教育への関与、沖縄教員たちの教育実践の意図とその実態、それら全体にかかわるものとして米国民政府(USCAR)の沖縄教育への関与に注目して史料の調査収集、分析を進めていく。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に発表した教育指導委員を介した日本本土の教育課程や教育実践の沖縄への指導に関する論文を発展させるべく、琉球政府文教局、沖縄教職員会、教育指導委員個々人に注目して史料調査を進めるとともに、アメリカ統治期の日本政府による沖縄への「教育援助」について「医療援助」を視野に入れながら概観する小論を発表した。 ①昨年度発表した論文で注目した沖縄国語教育研究会に視点をあて、同会の機関誌『国語沖縄』、同会にかかわった教育指導委員である倉澤栄吉など、また同会の中心メンバーである上里昌栄などの著作ならびに活動について、史料調査を行なった。並行して、沖縄教職員会の教育研究集会での報告や、琉球政府の指定する実験学校・研究学校での調査研究の報告などの史料調査も行なった。2022年度は史料調査を行なったにとどまるが、23~24年度にかけて、これらの史料を交差させて整理と分析を進め、研究成果を公表するように計画している。 ②齊木喜美子編著『戦後沖縄史の諸相』において、泉水英計が「日本の医療援助にみる米国施政権下の琉球」を執筆したことを受け、アメリカ統治期の日本政府の「沖縄援助」の主要なものとして教育と医療があることから、「医療援助」を相対化する手がかりとして「教育援助」を概観する小論を同書のブックガイドとして発表した。本科研費での研究は琉球政府期の沖縄でのことばの教育を直接の対象としているが、その時代状況、政治・社会状況として、今後も日本政府による沖縄援助の視野をもって研究を進めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究成果の概要」に記したような史料調査の進展と小論の発表、さらに次なる課題へと着手すべき点も見出していることから。
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今後の研究の推進方策 |
アメリカ統治の沖縄におけることばの教育のありようを明らかにするために、琉球政府、沖縄教職員会双方に注目して史料調査を進めていく。とくに重要な位置を占めると思われる沖縄国語教育研究会での実践的研究のありようを明らかにするために、会、会の主要構成員、会に関与し続ける教育指導委員、会の交流する他府県の同種の研究会等に注目して史料調査を継続するとともに、その整理分析を進める。 なお、沖縄教職員会の教研集会研究集録は、史料そのものが十分に整理されていないために、閲覧も容易な状況にはないことから、史料所蔵機関の許可を得つつ、2022年度に引き続き継続的に調査を進めていくことが必要である。
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