研究課題/領域番号 |
20K02465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
児美川 孝一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (50287835)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | キャリア教育 / 新教育課程 / 教科 / 探究 / 高等学校 / イベント型 / 日常型 |
研究開始時の研究の概要 |
2022年度からの高校の新教育課程への移行においては,キャリア教育を「イベント型」から「日常型」へと転換していくことが求められる。本研究は,調査対象として設定した3校の高校を事例として,それぞれの高校が,いかにして自校のキャリア教育を「日常型」へと転換しようと試みるのか,そして,そうした試みが成果を上げるのか,それとも,何らかの困難に逢着するのかという動態的なプロセスを,授業等の参与観察およびインタビュー調査からなる質的調査によって明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度には,調査対象となる高等学校への訪問調査を実施し,それぞれの学校の概況(生徒の卒業後の進路動向,進路指導・キャリア教育の指導計画,新教育課程への対応の状況等)を把握するとともに,とりわけキャリア教育の実施に関して,「イベント型」の取り組みから「日常型」の取り組みへの転換が進んでいるかどうかについて,ヒアリングを軸とする調査を行ってきた。しかし,新型コロナウィルス感染症の感染拡大等の影響によって,訪問調査の受け入れ等が,必ずしも予定どおりには認めてもらえなかったところも残った。これらの点は,研究計画を2023年度に繰り越したので,追って実施していく予定である。 研究の遂行においては,文献の収集や資料の取り寄せも行い,オンラインでの授業公開や研究会等を実施していた高校については,そうした調査機会を積極的に活用した。対面での訪問調査ができた学校は,長野県松本美須々ヶ丘高等学校,三田国際学園高等学校,法政大学国際高等学校,旭丘高等学校,岡山県立瀬戸高等学校であった。 文献・資料等の研究と訪問調査の結果,キャリア教育の「イベント型」から「日常型」への転換は,そう単純には進捗していないことが浮き彫りになった。それには,新型コロナウィルス感染症の感染拡大等の影響に加えて,高校の新教育課程の学年進行での実施が,2022年度からであったという事情もあった。新型コロナウィルス感染症の影響で,新教育課程への移行準備が十分でなかった可能性があり,しかも,2022年度は1年次のみがその対象であったからである。 こうした点も含めて,何がキャリア教育の「日常型」への移行を阻害しているのかという視点を意識しつつ,今後の研究を継続していく必要があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の作業は,おおむね順調に進めることができているが,研究対象となる高等学校における実践そのものの進展が,やや遅れているように思われる。 その理由は,この3年間の新型コロナウィルス感染症の感染拡大等の影響が大きく,また,高校における新教育課程は,2022年度より学年進行での実施であるというタイミングの問題もある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,これまで3年間の研究活動の成果を踏まえて,研究全体の総括的なまとめを行う予定である。そのために,いくつかの高校については,さらに現地調査を行い,授業の参与観察や教員へのインタビューを実施する。調査は,新規のテーマや視点について探ろうとするものではなく,これまで得られている知見を補充したり,知見の妥当性を再確認するためのものである。
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