研究課題/領域番号 |
20K02472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 九州大学 (2022-2023) 九州産業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐喜本 愛 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (90552216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 小学校 / 兵式体操 / 軍隊 / 教材 / 銃 / 指揮刀・サーベル / 木銃 / 教具 / 軍事 / 地域 / 表象 / 高等小学校 / 体操 / モノ / 学校 / 企業 |
研究開始時の研究の概要 |
①教育学・教育史のこれまでの研究では、教育の制度や内容、思想が主要な対象とされ、教育の実践を構成する「モノ」という環境条件について十分な注意は払われてこなかった。本研究の特徴は、戦前日本の小学校で使用された「木銃」(もくじゅう)という「モノ」(体操教具)に着目する点にある。 ②本研究ではこの木銃というモノの「扱い方」に着目することで、学校と地域住民、企業(教材・教具店等)、軍隊の連携の具体的な構造を明らかにし、その連携・協働の下に展開された小学校教育における子どもの〈主体的〉な「学び」の実相を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦前日本の小学校で使用された体操教具「木銃」という「モノ」に着目し、学校と地域住民、企業(教材・教具等)、軍隊との連携の具体的な構造を明らかにし、その連携・協働のもとに展開された学校教育における子どもの学びの実相を明らかにすることにある。2020年度以降新型コロナウイルスの感染拡大のため調査が制限されており、2022年度もその影響を受けたが、ようやく2023年度は調査が可能な環境となった。しかし、調査を希望していた小学校等の事情(統廃合等)により、史料管理の方法等に変化があり調査が難しい状況になった。 また、ネットオークション等で木銃の実物が出品されていることを再確認し、それらは本課題に必要な史料で入手する必要があるが当初予算に組み込んでいないため、予算不足が考えられた。 よって、本年度は前年に引き続き第一に国立国会図書館デジタルアーカイブ、国立公文書アジア歴史資料センターの公開史料、地方公立図書館の史料調査、史料請求サービスを最大点活用し、史料収集に努めた。第二に上記史料及び、2020、2021、2022年度に古書店等で収集した該当時期における各地方の教育会雑誌等の関連資料の整理・分析を進めた。特に前年度着手した中学校、師範学校への学校体操用銃器払下に関する史料のデータベース化を進めた。(「学校生徒体操用銃器の払下方に関する件」(「貳大日記」明治44~45年))。その際、従来の木銃のみならず、指揮刀、サーベルという教材に視野を広げ改めて史料分析を進めた。第三として残存している「木銃」の実物についての調査を始めた。ネットオークション等の出品業者等との連絡をすすめ入手経緯などの情報提供を受けた。その中で年度末に新潟県の小学校で使用されていた木銃の情報を得て入手した(2024年度予算で購入)。カタログ等以上の木銃の特徴を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査を希望していた小学校等の事情(統廃合等)により、史料管理の方法等に変化があり調査が難しい状況になった。また、博物館、史料館等に所蔵されていない木銃の実物がネット上に出回っていることを再確認したが、貴重な史料となるそれらの入手等の手続きに時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで収集し整理、分析した結果をまとめていくことを基本としながら、実施できなかった各地域(大阪、京都、東京)の調査を可能な限り実施する。また木銃の実物の収集にも力を入れ、そこから得た情報をもとに最終年度として成果をまとめたい。
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