研究課題/領域番号 |
20K02476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
宮原 順寛 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10326481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 教育方法学 / 現象学的教育学 / 授業研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、小中高等学校等の授業を中心とした教育実践を現象学的教育学の知見から読み解くための文献研究と授業研究フィールドワークを行う。まず、文献研究として、日本国内外で刊行されている現象学的教育学に関連する文献を収集して、研究方法論、研究対象領域、収録されているエピソード等の観点から分類整理を行う。この基礎研究から得られた知見をもとに、これまでの授業研究に関する人脈を生かして北海道および長崎県を中心とする日本国内でのフィールドワークとして授業研究を行い、それぞれの実践の意味理解と本質観取に関わる質的分析を行う。これらを通して、現象学的教育学による授業研究のモデルについて提言する。
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研究成果の概要 |
北海道の小学校及び中学校をフィールドワークとして訪問し、静止画による授業観察記録に対する分析を行い、現象学の知見を踏まえた校内研修のモデルを提示した。 咄嗟で機敏な判断とも言われる「教育的タクト」を十全に発揮するためには、授業者の中に教育的な思慮深さを涵養していくことが重要である。その際、これまでは文字記録をもとにした分析や動画をもとにした分析が授業検討会の中心であった。本研究では、授業時の様子を撮影した写真をもとに台詞や状況や分析コメントの書き込みを行った静止画を提示しながら、学習者や授業者にとってそれはどのような学びの経験なのかに焦点を当てた現象学的な授業研究モデルを開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現象学的教育学の系譜につながるマックス・ヴァン=マーネンの理論をもとにしながら、学習者や授業者は授業の中でどのような経験をしているのかを語り合うことによって教育的思慮深さを教師に涵養し教育的タクトを発揮させようとすることを目的とした授業研究モデルを開発した。その際、共通認識を得るための静止画による授業場面の提示を効果的に行う方法を提示した。 また、遠隔地間でのあるいは時間差での授業研究を構想実施し、広大な北海道において専門家が小中学校の授業研究を効果的に行うためのモデルを提示することができた。 さらに、学校現場での授業研究に関する研究者の倫理に関わる問題群についての議論の端緒を開いた。
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