研究課題/領域番号 |
20K02478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹田 博通 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (80154011)
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研究分担者 |
佐藤 安功 仙台高等専門学校, 総合科学系文科, 名誉教授 (00154112)
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20331259)
寺川 直樹 大谷大学, 教育学部, 講師 (50801990)
小池 孝範 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (80550889)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 道徳教育 / 教育学 / 道徳観 / 宗教観 / 自然観 / 道徳思想 / 宗教学 / 人間形成論 / 自然 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、近代から現代の西欧と日本の道徳教育観を教育観、道徳観、宗教観および自然観との関わりから多角的・重層的に探究すること、さらに、近代日本が西欧の道徳思想を学問としていかに受容したかを考察することである。 そのため本研究は、近代西欧の教育思想を基軸にし、教育、人間形成、道徳、宗教および自然に関する近代西欧の思索を共通の基盤に、まずは、近代日本の学問(教育学、哲学、宗教学、自然科学など)における道徳思想、宗教思想、自然思想受容の系譜を明らかにする。そこから、今日の社会が取り組むべき課題を通時的視点で析出することによって、現代教育学の新たな局面と役割を具体的に提示していくことを目指す。
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研究実績の概要 |
課題①(西欧・日本の道徳教育観とそれに繋がる学的諸観点〈教育、道徳、宗教、自然など〉との関係の考察)に関しては、研究分担者・佐藤が、西欧の道徳教育観の問題点を現代哲学(レヴィナス)の文脈のうちで捉え直すことをとおして、研究分担者・寺川が、主にTh.リップスの「感情移入論」をヘルダー、 H.シュミッツの所説と比較することで、それぞれ、西欧の道徳教育観とこれに繋がる学的諸観点とを関係づける作業に携わり、その成果を『プロテウス』第22号に発表した。また研究代表者・笹田が、日本人の道徳教育観を教育観・道徳観・宗教観・自然観との関連で多角的、重層的に特徴づけるべく、「道徳/宗教/教育の思索」(西田幾多郎)について検討し、その成果を『プロテウス』第22号に発表した。(なお、佐藤は2022年10月~12月にジュネーヴへ赴き、課題①に関する文献調査などを行った。)課題②(近・現代の日本における西欧の道徳教育観の受容過程に関する探査)に関しては、研究分担者・相澤が、近代日本教育思想とスペンサー「進化論」との原―関係へ遡及することをとおして、また研究分担者・小池が、明治初期の「愛国」思想に対する仏教(曹洞宗)の「教化」思想の関わり、ひいては、明治前期にみる政府の教化・教育方針と仏教(曹洞宗)のそれとの関連を探査することで、それぞれ、西欧の道徳教育観と日本人の精神形成との関係性を検証する作業に携わり、その成果を『プロテウス』第22号等に発表した。課題③(道徳教育観〈西欧、日本〉の今日的意義と現代教育学へのインパクトをめぐる検討)に関しては、研究代表者、研究分担者及び研究協力者によるオンライン形式の研究会(3回)で討議し、今日の教育学研究における新たな問題意識を提示する準備を行った。なお、本研究はおおむね順調に進展してきたものの、長期にわたるコロナ禍の影響のため、研究期間を1年延長することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021(令和3)年度に引き続き、コロナ禍のため、対面による研究会は断念せざるを得なかったが、それ以外は当初の計画通り進んでいることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
各自が分担課題に即して予定通り研究を進めるとともに、新型コロナウイルスの感染状況をふまえ、オンライン研究会の実施や関連学会での研究発表(対面+オンライン)など、課題推進に関する種々の方策を講じていく。また2023(令和5)年度は最終年度でもあるゆえ、西欧・日本の道徳教育観をめぐるこれまでの研究内容を吟味し、全体の研究成果報告書を作成・刊行する。これによって本研究の成果を広く社会に発信・還元したい。
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