研究課題/領域番号 |
20K02483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 智子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (00379041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | キリスト教 / 中学校 / 宣教師 / 医療 / カナダ・メソジスト / ミッション・スクール / 東洋英和 / プロテスタント・キリスト教伝道 / 私立学校 / キリスト教宣教師 / 公教育 / 教会 / 地方紙 |
研究開始時の研究の概要 |
1873年に初来日したプロテスタント・キリスト教宣教団である「カナダ・メソジスト教会」は、首都東京、および静岡・山梨・金沢などの地方都市において、伝道の有効な手段としての教育事業を広く展開した。本研究は明治期(1870~1900年代)におけるその事業の実態と特質を、宣教師が残した英文書簡や書類、日本側の公文書と新聞を活用することにより解明するものである。宣教師側の構想や思惑とともに、府県の対応、日本人信徒や現地有力者の運営面・資金面での協力実態を分析する。以上を通じて、「国家的教育事業に即応・便乗するキリスト教」の立場から、近代日本の中等・高等教育制度や公教育の形成過程を描き直す。
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研究実績の概要 |
カナダ・メソジスト系の学校の参照系として、同志社(尋常)中学校の1890年代のありようの一側面を取り上げた論考を発表した。1899年の文部省訓令第12号による宗教教育の制限に関して、キリスト教系学校がどのように対応し、また生徒にはどのような影響が生じたかについて考察した。 具体的には、キリスト教の旗を降ろした学校に学び続けることよりも、これにより上級学校への進学階梯として学校の立場が失われること、ひいては自らの進路の不安定さに困惑し、学校に不満をもつ生徒が多数派を占めたと想像されることを指摘した。また試験の厳しい教員に対する生徒の不満とストライキ事件、それを原因とした学校と生徒(寮生)との間の軋轢などについても、生徒側の書簡類をもとに明らかにした。 本論考にかかわって、書簡資料や新聞史料、学校所蔵資料などの収集を進めた。 一方、国立研究機関の展示替えにともない、近代宗教の一端としての明治期キリスト教の活動を取り上げたコーナーの企画に関与した。来日宣教師や日本人クリスチャンに注目しながら、東アジア全体への伝道構想下のミッションの位置づけ、病院や孤児院、禁酒運動などの社会事業、進化論との競合、聖書翻訳の問題などを盛り込んだ。これらのテーマのなかで、カナダ・メソジストの活動へも目を配った。 本件にかかわって、別ファンドからの支出となったが、韓国の延世大学あるいは崇實大学に出張し、両校におけるプロテスタント・キリスト教関連展示の見学と資料収集をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型肺炎問題によるカナダ・トロントでの調査の順延状態が続いたため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は他の海外調査の関係もありカナダでの調査が結局できなかったが、2024年度においてこれを実施し、研究をまとめる。
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