研究課題/領域番号 |
20K02491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
朱 全安 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (20266183)
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研究分担者 |
Chard Robert 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (30571492)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 教育史 / 文化史 |
研究開始時の研究の概要 |
近世日本の幕藩教育制度は、昌平坂学問所の設立をもって確立したとされるが、その以降、幕府・諸藩の学校は、幕府の要請と国際情勢の変化による漢学教育が果たす役割の変化に伴い、大きく変容していった。本研究は、幕府・諸藩の学校における廟学制の変容を軸に、漢学教育の目的・実践の変化要因を究明し、江戸後期、幕藩教育体制の確立にみられる漢学教育の役割と特徴を明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
近世日本の幕藩教育制度は、江戸後期、湯島聖堂を幕府直轄化した昌平坂学問所の設立をもって確立したとされるが、それ以降、明治初年まで、幕府・諸藩の学校は廟学制を維持しながら、幕府の要請と国際情勢の変化による漢学教育が果たす役割の変化に伴い、廟学制の内実は大きく変容していった。 本研究の目的は、幕府・諸藩の学校における廟学制の変容を軸として、近世日本の学校教育の中心に据えられた漢学教育の目的・実践の変化要因を究明し、江戸後期、幕藩教育体制の確立にみられる漢学教育の役割と特徴を明らかにすることである。 本年度は、昨年度に引き続き、江戸後期の藩校に設けられた孔子廟と釈奠実施の状況とその漢学教育の詳細について基礎的な調査をした。廟学制をとる動機と理由を含め、各学校の教育目標、人材養成の理念、入学者の出身、学規などを明らかにするために、主要な藩校に関する史料を収集し、分析した。江戸後期の藩校は、江戸前期から漢学教育を積極的に推進し、孔子廟と釈奠の儀式を確立した藩校、寛政の改革の後、新しく設立された藩校、寛政の改革の前に既に設立されていた藩校で、この時期に再構築、拡大された学校に分けられる。諸藩校において、学校の設立には様々な事情が伴い、継続的に運営するには努力を要した。本研究の成果は、教育史・東アジア史の分野だけでなく、世界的な文化史研究への影響も視野に入れ、学術論文・学会発表等を通じて国内外に広く発信された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画に基づき、現地調査の準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、国内外への移動が制限されたため、予定されていた現地調査の一部を実施することができなかった。 したがって、江戸後期に急増した藩校の設立と昌平坂学問所との関連性を、廟学制の伝播を軸として解明することを通じて、漢学教育を中心に据える藩校教育がいかに展開されたかを明らかにするという本研究の目的の達成は、やや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究を通して得られた研究成果を基礎として、主要な藩校の漢学教育関係史料の調査収集を更に進めると同時に、漢学教育を中心とする江戸後期藩校教育について考察を更に進め、逐次研究成果を社会・国民に伝達する。 具体的には、国内外の文書館・図書館等を訪問し、江戸後期藩校教育に関する一次史料を調査・収集・分析し、学術論文・学会発表等を通じて、研究成果を国内外に発信する。
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