研究課題/領域番号 |
20K02508
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
見城 悌治 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (10282493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 留学生教育 / 近代日中関係 / 交流 / 相互理解 / 軋轢 / 中国人留学生教育 / 日華学会 / 同仁会 / 満州事変 / 日中戦争 / 留学生史 / 医学教育史 / 文化交流史 / 東アジア近代史 / 日中関係史 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀初頭には1万人余りの中国人留学生が日本で学んでいたが、日中戦争期においても、数千人の留学生が学び続けていた。この未曽有の状況下で、中国人留学生が日本での教育を通じて得た「相互理解」や「軋轢」の実態を分析することによって、留学生および日本の大学や社会が抱えていた諸問題を明らかにしていく。それらの吟味検討は、現在、日中関係に横たわる問題解決の手がかりを得ることにも繋がると考えている。
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研究成果の概要 |
近代日本で学んでいた中国人留学生の研究は、近年盛んになりつつある。ただし、その多くは、清末民初の比較的「友好的」であった時期を扱うものであり、満州事変以降、敗戦に至るまで、両国が不和になった時期の研究は十分とは言えない。 そうしたなか、申請者は、1930年代以降、中国留学生全般を支援する「日華学会」(1918年創設)と医学薬学留学生の支援を行なった「同仁会」(1902年創設)に焦点を当て、それぞれの教育や支援の様相を明らかにした。また帰国した元留学生後との関係性についても調査した。その結果、戦時下故の「問題」はあったものの、「交流」や「相互理解」のための試みがなされたことを明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
満州事変以降において、日本が中国留学生たちにどのような教育を与え、また留学生が母国でそれをどのように活かそうとしたのかについての研究は、これまできわめて少なかった。 そうしたなか、本来的には中国留学生支援を目的に作られた団体の「日華学会」と「同仁会」に焦点を当てることにより、中国留学生との軋轢と融和を明らかにすることができた。もちろん両団体は、国策に従わざるを得ない面は多々あった。 しかし、戦時下に、諸団体自身が煩悶しながらも、留学生との「関係性」を繋ごうとした営為は、困難な時代における教育関係者の対処として、その是非を含め、今後も丁寧な分析を深めていく必要性を認識できた。
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