研究課題/領域番号 |
20K02519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (00520230)
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研究分担者 |
鳥光 美緒子 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (10155608)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ペスタロッチ / 教育思想 / ケンブリッジ学派 / 共和主義 / 「徳」概念 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ケンブリッジ学派の政治思想史研究の方法論を踏まえ、ペスタロッチの教育思想を再検討することを目的とする。トレーラーの先行研究を手がかりとしながら、同時代の論争や言説を再構成するケンブリッジ学派のコンテクスト的歴史研究の手法を用いて研究を行う。特に、当時の支配的な言説であった「共和主義」の観点を踏まえ、ペスタロッチの『探究』(1797)における「徳」概念についてテクスト分析を行い、ペスタロッチ教育思想の新たな解釈を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ケンブリッジ学派の政治思想史研究の方法論を踏まえ、トレーラーの先行研究(2006)に依拠しながら、ペスタロッチの教育思想を再検討することである。これまでの研究から、当初予定していたペスタロッチの中期の著作ではなく、彼の思想形成初期の著作を再検討する必要性が出てきたことから、トレーラーが着目している『わが祖国の自由について』(1779)(以下、『自由論文』)のテクスト分析を令和4年度に引き続き行なった。 現段階までの『自由論文』のテクスト分析では、ペスタロッチが当時の商業の発展について強い危機感を持っており、経済的な発展と奢侈の制限を「自由」概念との関連で論じていることが分かってきたが、これらの言説と当時の時代人の言説との関連・影響を検討する必要がある。 この時期、直接影響があったことが分かっている人物として、汎愛派の教育家でバーゼルの書記官だったイザーク・イーゼリンがいる。これまでの我が国の先行研究では、ペスタロッチの良き理解者で援助者であった、という程度の位置づけであったが、スイスの啓蒙研究においてはルソーと比較されるほどの人物だったことが分かってきた。しかし、スイスの啓蒙研究やイーゼリンに関する研究は我が国でほとんどなされておらず、現在、ドイツ啓蒙や18世紀のヨーロッパの社会思想研究なども視野に入れて情報を収集している。また、イーゼリンやスイス啓蒙に関する外国語文献も収集しているが、内容の詳細な検討には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究初年度の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初予定していた文献研究が遅れたため、全体的に当初の計画よりも遅れている。また、ペスタロッチの教育思想を当時の政治思想・社会思想との関連で再検討する研究のため、教育思想史以外の研究も概観しているが、当初着目していた共和主義思想だけでは17世紀から18世紀にかけてのスイスの状況を説明できない可能性が出てきており、追加して確認が必要な外国語文献が増えてきている。そのため、想定よりも時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの研究成果を踏まえ、『自由論文』を中心としたテクスト分析を通して、ペスタロッチ教育思想を当時の政治思想の文脈に位置付ける。イーゼリンとの書簡やイーゼリン研究を踏まえ、『自由論文』執筆の歴史的事実から思想的背景について検討する。その際、同時期に執筆されている『消費制限論』(1780)を合わせて分析することで、ペスタロッチの政治経済思想と教育思想との関連について検討する。 また、トレーラーと面会し、トレーラーの2006年の研究及びそれ以降のヨーロッパ圏での研究動向について意見交換を行う予定である。
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