研究課題/領域番号 |
20K02540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
佐藤 隆 都留文科大学, 教養学部, 特任教授 (70225960)
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研究分担者 |
渡邉 由之 東大阪大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40611348)
片岡 洋子 放送大学, 千葉学習センター, 特任教授 (80226018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生活綴方教育 / 主体的・対話的学び / 教育課程研究 / 新教育 / 子ども理解 / 丹羽徳子 / 教育課程づくり / 教育実践の自由 |
研究開始時の研究の概要 |
恵那の生活綴方教育は1970年代から80年代にかけて全国的に注目された。その代表的な実践家の一人である丹羽徳子の教育実践と教育思想を検討する。 あわせて、生活綴方教育とともに新教育に源流を持つフレネ教育などの現代的展開を、今日の教育課題と結びつけて検討する。とりわけ、現在の教育改革でめざされている「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」「社会に開かれた教育課程」を新教育や生活綴方教育の実践と思想から考察を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の3つの柱は以下の通りである。①岐阜県恵那地域において行われた生活綴方教育実践の代表的な実践家の一人である丹羽徳子の教育実践と教育思想を検討する。②丹羽を含む恵那の教師たちは、学習が自分にとってどのような意味をもつかを考えさせ、学級等で共有した。こうした個々の学びを交流し協働化をめざすことを、恵那では「私の教育課程づくり」とよび、その探求を行ったがこれらの現代的意義を明らかにし、「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」「社会に開かれた教育課程」と結びつけてとらえ直す。③およそ1世紀前の新教育の思想がいまどのように見直され、教育改革の動向にどう位置づけられているのかを検討する。諸外国においても新教育の系譜につらなるかたちで学習の個別化と協働化が強調されているが、これらと生活綴方教育の共通性を明らかにする。 2022年度は、この課題に対して、丹羽徳子に関する資料を精査した。また、それらの資料の解釈を通じて、その意義を現代の課題と照らしながら検討した。同時にフランスでフレネ教育を中等段階で実験的に展開しているコレージュ・ジャンジャレスでの実践を検討し、主体的・対話的で深い学びがどのような文脈のなかで展開しうるのかを丹羽の実践と重ねながら研究する準備を進めた。現在、これらをもとに、丹羽徳子教育著作集(デジタルデータ版)の作成に向けて、資料の検討と選定を進めているところである。 しかし、コロナウイルス感染症の影響により、すでに収集済みの資料の読み込みなどの作業が中心となり、生活綴方教育との異同を検討したいと考えていた海外を含んだ現地調査は延期せざるを得なかった。一方で恵那の教育のなかで使われた言葉である「子どもをつかむ」ということの意味の探求を行うとともに、コロナ禍における教育実践においてこの思想がどのような意味を持ちうるのかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度はコロナウイルス感染の影響を受け、本格的調査研究がかなわなかった。とりわけ対面調査の諸条件が整わず、その多くを見送らざるをえなかった。また、海外調査も実施できず、研究の柱③に掲げた海外の教育動向についての研究にも支障を来たした。そのため、文献研究とこれまで収集した丹羽徳子関連資料の精査と分析に注力したが、これらの裏付けとなる諸資料の探査は今後の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに確認できなかった丹羽徳子関連資料の追加の収集およびデジタル・データ化を完了することを予定している。 当初予定していた生活綴方教育実践との何らかの共通性を持つ海外の教育実践に関する調査(フィンランドを軸にして)の実施を予定しており、現在メール等を通じて情報交換を行っているところである。
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