研究課題/領域番号 |
20K02550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 平安女学院大学 |
研究代表者 |
陳 虹ブン 平安女学院大学, 国際観光学部, 教授 (60534849)
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研究分担者 |
白柳 弘幸 玉川大学, 教育学部, 研究員 (20424327)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 植民地教育 / 教育史 / 公学校 / 学校文書 / 学籍簿 / 台湾 / 学校史 / 植民地 / 公学校教育 / 就学状況 / 日本統治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「日本統治下台湾における公学校児童の就学状況に関する研究―学校文書の調査―」は、日本統治下の台湾人児童が公学校入学後、卒業もしくは中途退学等の「就学状況」を、学籍簿記録などを通して明らかにする研究である。台湾人児童が通った公学校の設置は多くは地元の協力によったが、開校後児童の就学状況が安定するまで時間がかかった。特に農村部では児童を労働力と見做しているために中退が多く、卒業まで在籍する者は大変少なかった。当時の公学校の教育事情を把握するためには、児童の就学状況をより具体的に捉えることを含め、児童が就学し卒業が定着するに至る社会的・歴史的背景等を明らかにするのが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究は日本統治下の台湾人児童の公学校入学後の「就学状況」を学籍簿、学校沿革誌などの学校文書を通して明らかにした調査研究である。旧龍肚公学校、旧南寮公学校、旧媽祖廟公学校の学校文書を調査することにより、児童の卒業、中退、落第状況を具体的に捉えることができた。さらに、学校が所在する地域の住民構成、環境や文化、産業などの社会構造が、公学校の運営や就学状況に与えた影響をも具体的に解明した。本研究は植民地期台湾の公学校史研究において多数の重要な新史料を発掘し、その研究成果も今後の公学校史研究に大きく寄与できるものとなっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は新史料を用いて、植民地期の台湾人児童が通う公学校はどのように地域社会との葛藤と協力の中で建設され、台湾人児童がどのように植民地の教育を受け入れていったかについての解明を試みた。近年東アジア情勢が流動化し、台湾問題を含む様々な議題が注目されている。現在の台湾の「親日」的要素について知るためには、まずは植民地統治期の歴史を知ることである。特に台湾で施された植民地教育は重要な部分であり、当時の学校現場に即した教育実態の解明が不可欠である。新たな研究成果に基づくより正確な歴史的知識こそが、台湾と日本との関係をより正確に理解することにつながることとなろう。
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