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「肯定的な数学的アイデンティティ」の形成を目指した小学校教員養成プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K02553
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

神原 一之  武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80737718)

研究分担者 矢野 裕俊  武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80182393)
神山 貴弥  同志社大学, 心理学部, 教授 (00263658)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード数学的アイデンティティ / 小学校教員養成 / 実践的指導力 / 肯定的な数学的アイデンティティ / 私立大学教員養成 / 国際比較
研究開始時の研究の概要

本研究は調査研究を基本として,そこから得られた実証的データに基づき,「肯定的な数 学的アイデンティティ」を形成するプログラムの視点を得て,作成したプログラムを実施し, その効果を検証するものである。 そのために,次の調査研究を行う。
1)3ヵ国の大学で実施されている小学校教員養成における「肯定的な数学的アイデンティティ」を形成すると予想されるプログラムを抽出し,質問紙を作成する。
2) 3ヵ国の大学で実施されている算数関連科目の授業研究をプログラム作成前後に行う。
3)大学入学時と算数・数学関連科目履修終了時に意識調査を行い,抽出学生にインタビュー調査を実施する。

研究実績の概要

本研究は、小学校教員養成カリキュラム(算数・数学科関連科目)における「肯定的な数学的アイデンティティ」の形成に関する包括的な資料の収集・調査を行い、小学校数学教員養成における「肯定的な数学的アイデンティティ」の形成に資するプログラムを提案することを目的とする研究である。
2023年度は、数学的アイデンティティに関する3年間にわたる縦断的調査の結果・考察の一部を日本数学教育学会第56回秋季研究大会にて「肯定的な数学的アイデンティティ形成に関する研究-算数科内容論のカリキュラム開発を事例に-」のタイトルで報告した。この度の発表では、特に算数科内容論における実践を事例として、数学的アイデンティティ形成を目途とした教員養成や小中学校での数学的探究活動設定の枠組みを提案した。

本研究の意義としては、算数科教員としての実践的指導力を3観点(A.内容、B.方法、C.実践)に分けて、大学で学修する算数関連科目を位置づけた点、算数科教員としての資質・能力を数学的探究活動の視点から6項目提案したこと、このような枠組みで具体的な数学的探究活動を位置づけ実践することが学生の数学的アイデンティティ形成に効果がある可能性を示したことである。例えば、算数科内容論で行った数学的探究活動を数学的探究活動の6観点が含まれるように位置づけた。6観点とは、「①「よい問題」の提示と授業展開、②予測,推測と真であることを示す、③コミュニケーション活動、④多様な問題解決の授業、⑤問題解決に自己関与する、⑥数学観や学習観の形成や変容」である。このような視点は、小学校・中学校における算数・数学学習への転用も可能であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、次の3点を計画していた。
(1)数学的アイデンティティに関する縦断的調査をA私立大学で継続して行うとともに,イギリスにおいて同様の調査を行い比較し分析を行う計画であった。縦断的調査により、算数科内容論、算数科教育法、教育実習などを経た学生の数学的アイデンティティの変容の一部を明らかにすることができたが、イギリスへの調査は現在回答の返信を待っている状況で分析が進んでいない。
(2)算数関連科目のプログラム開発にむけて国内外の算数・数学教育研究者との授業研究会(今年度は算数科教育法を中心とする)を開催し、アメリカの研究者を招聘した。具体的には、研究協力者であるRTIの研究者を11月に招聘して、大学における授業研究を国内の研究者と共に開き、算数教育のあり方について議論を深めた。また、アメリカにおける教員養成やPBLに関して公開講演会を実施することができた。
(3)これまでの成果をまとめる。
令和5年度は最終年度であったが、コロナ禍での研究の遅滞が積み重なり、研究成果をまとめることができなかった。特に、海外のデータが収集仕切れなかったことや縦断的調査の最終アンケート調査やインタビュー調査が遅れた。そのため、研究を1年間延長して、残った課題に取り組むこととした。

今後の研究の推進方策

2024年度は、積み残した資料の収集を行う。特に教育実習に関わる学生へのインタビュー調査を中心に、日本の大学における算数教育に関する授業の実際や学校現場における教師の授業研究の姿などの調査を行う。また、海外のデータでは、イギリスのデータ回収が遅れているため、より注力してデータの収集に努める。このような資料と合わせて、これまでの縦断的調査のまとめ、研究成果を日本カリキュラム学会、日本教師教育学会などで報告する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 教員志望学生の数学的アイデンティティに関する調査研究 ―教育法を学修する前の大学2年生を対象として―2023

    • 著者名/発表者名
      神原一之,神山貴弥,矢野裕俊
    • 雑誌名

      武庫川女子大学教育学部 教育学研究論集

      巻: 18 ページ: 8-15

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Understanding “proportion” and mathematical identity: A study of Japanese elementary school teachers2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Kambara
    • 雑誌名

      LUMAT Special Issue Vol 10 No 2

      巻: 10 ページ: 239-255

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学習援助プログラムは学生カウンセラーにどのような効果を及ぼすのか(3)-援助者である小学校教員志望学生Aの数学的アイデンティティ形成に着目して-2022

    • 著者名/発表者名
      神原一之
    • 雑誌名

      武庫川女子大学 教育学研究論集

      巻: 17 ページ: 15-22

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 肯定的な数学的アイデンティティ形成に関する研究 -算数科内容論のカリキュラム開発を事例に-2023

    • 著者名/発表者名
      神原一之・國宗進・相馬一彦
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第56回秋季研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 算数・数学学習に対する「消極的な思い」の生起とその影響 - 小学校教員志望学生を対象とした調査を通して -2022

    • 著者名/発表者名
      神原一之・神山貴弥
    • 学会等名
      全国数学教育学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 教員志望学生の数学的アイデンティティに関する調査研究 - 教育法を学修する前の大学2年生を対象として -2021

    • 著者名/発表者名
      神原一之・神山貴弥
    • 学会等名
      全国数学教育学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 教員志望学生の数学的アイデンティティに関する調査研究(2) ある私立大学3年生の算数科教育法の履修前後に注目して2021

    • 著者名/発表者名
      神原一之・國宗進・神山貴弥・矢野裕俊
    • 学会等名
      日本数学教育学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 学生カウンセラーAの数学的アイデンティティ形成の一側面2020

    • 著者名/発表者名
      神原一之
    • 学会等名
      全国数学教育学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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