研究課題/領域番号 |
20K02560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
林 寛子 (沖田寛子) 山口大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (20294613)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 通信制高校 / 進路選択 / 進路指導 / メリトクラシー / 大学入試 / 高大接続 / 自己意識 / 能力アイデンティティ / 自己認識 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、通信制課程の高校生徒数は増加傾向にある。インターネットなどの多様なメディアの普及により、全国、海外から受講可能な広域制通信制高校が特に増加している。このような背景から、高校生の進路選択は、伝統的で直線的な進路選択だけでなく、多様な背景を抱えた生徒の進路選択が存在している。 本研究は、大学入試制度の在り方を検討することを目的として、「再帰的メリトクラシー」の概念を用いて現在の大学入試の在り方をとらえ、大学入試出願資格(課程)というメリットに注目し、通信制と全日制の高校生の実証的比較研究から、通信制高校の生徒の大学進路選択の実態及びその背景構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、通信制課程を全日制課程とは異なるオルタナティブな教育として位置づけて分析を試みた。広域制通信制課程の高校生の多くは、オルタナティブな教育を受けても学校的メリトクラシーのトーナメント戦から外れておらず、高等教育機関への進学を目指す傾向にあった。そして、学校がつまらなくても、その現状を受容しながらメリトクラシーの意識を強く持ち、学校的メリトクラシーに再び参入していた。広域制通信制課程の高校生のメリトクラシーの意識は、アスピレーションの加熱装置ではなく、現状のつまらなさに帰属する冷却装置になっていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における通信制高校の高校生調査は、通信制課程の広域制と狭域制に注目して量的調査を行ったデータで有り、調査データ自体が貴重である。また、通信制高校の生徒の進路選択の実態を、広域制と狭域制だけでなく、全日制課程と比較検討している点で新規性がある。 本研究で注目した通信制課程の課題は、日本のメリトクラシーを是とする構造や認識を有する全日制課程とオルタナティブな教育を主とする通信制課程の差異が、高大接続や大学入試改革に大きな障壁となっていることであり、その端緒となる本研究で明らかになった通信制課程の高校生の進路選択や努力・学歴に関する意識は、この課題への対応のための重要な知見である。
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