研究課題/領域番号 |
20K02562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
呉屋 淳子 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (10634199)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 学校芸能 / 接触領域 / 接触体験 / レジリエンス / 民族芸能 / ソーシャル・ディスタンス / 民俗芸能 / 文化継承 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、公的に制度化された学校教育の現場において伝統芸能や民俗芸能の教授がおこなわれるようになったことから、芸能の継承をめぐる状況は大きく変化している。一方、学校もまた今日において地域社会との連携が強化されることで、より地域社会の動向の影響を受けるようになってきている。 このようなことから、現代的な文脈における民俗芸能の継承やそのあり方を動態的に捉え、民俗芸能を創造する場としての学校を「接触領域」という視点から包括的に検討する必要がある。また、学校の「接触領域」としての「場」の分析にとどまらず、その「接触」したそれぞれのアクターの行動や体験、変容について、個々により深く観察・記述していく。
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研究成果の概要 |
本研究は、「接触領域」、「接触体験」という分析的視点をもとに、東日本大震災で被災した宮城県亘理郡山元町を考察の対象とし、現代の地域社会に生きる人々がどのように民俗芸能を認識し、受け継ごうとするのかという現代的なテーマに取り組むことを目的とした。同時に、現代的な文脈における文化継承のあり方や新たに生み出される芸能を視野に入れ、かつ歴史的経緯を考察の対象に据えながら、学校と地域の相互行為から民俗芸能が刷新され、継承される過程を分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民俗芸能における継承の「危機」は、これまで長く論じられてきたが、一般的に「後継者不足」や保存・継承の正当性といった問題が議論の中心となる傾向が強く、民俗芸能そのものの柔軟性や可変性については看過されてきた。本研究では、「接触」という局面に着目することで、「変化」そのものを継承の要素として位置づけ、その実態を芸能に関わる複数のアクターの相互作用として分析した。 また、映像民族誌の制作に取り組むことで、学術論文に限定されないマルチモーダルな研究成果のアウトプットを実現した。映像民族誌の制作そのものが地域社会との協働的な実践であり、公共人文学的な学術研究のあり方を示すことができた。
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