研究課題/領域番号 |
20K02578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 |
研究代表者 |
野田 文香 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (20513104)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | NQF / 全国資格枠組み / ユネスコ規約 / モビリティ / リカレント教育 / リスキリング / マイクロクレデンシャル / 職業資格 / 資格枠組み / 国際モビリティ / ユネスコ世界規約 / 質保証 / アウトカム / ASEAN / 全国資格枠組み(NQF) / AQRF / 高等教育 / 職業教育 / 学位・資格 / 東京規約 |
研究開始時の研究の概要 |
東京規約の発効に伴い、国内外の高等教育資格情報を発信するナショナル・インフォメーションセンターが2019年に立ち上げられた日本において、資格承認の公平性・透明性を確保するための参照ツールとなるNQFの構築の検討が急務となっている。本研究は、学術・実践の両面から日本版NQFの策定可能性に係る議論に資する示唆を得るため、ASEAN Qualifications Reference Framework (AQRF)に関わる各国NQFの策定プロセスや枠組みを横断的に分析し、人的モビリティ促進の観点からNQFの運用状況を類型化し、課題を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、2014年から開発が進んでいるASEAN資格参照枠組み(ASEAN Qualifications Reference Framework: AQRF)に焦点を当て、全国資格枠組み(NQF)の構築に関する各国の政治・社会的背景や活用に関する課題を整理し、日本がNQFを有していない状況下で、枠組み策定の是非を議論する際の示唆を得ることを目的としている。2023年度は、ASEAN内で特に取組が進んでいるタイのNQFに関する現地調査(教育省、タイの職業資格の承認を行う政府機関Thailand Professional Qualifications Institute、チュラロンコン大学)を行い、教育資格と職業資格をNQFに統合する背景や、異なる資格を照らし合わせる際の判断材料、NQFの運用や課題等について情報収集を行った。 日本においても、政府がユネスコと締結した国際規約に加え、リカレント教育やリスキリングの重要性が強調されており、異なる教育セクター間の移動や、教育と職業との行き来ができる経路を含め、個人が生涯学び続けられる環境を整備することがより重要になってきている。国境を越えて互いの異なる資格の位置づけを理解するための翻訳装置となるNQFが制度化されていない日本において、まずは学校教育制度に基づく「日本の教育資格枠組み(試案)」を主に海外に向けてウェブサイトや論文にて発信し、引き続き資格情報の見直しと更新を行った。 さらに近年、リカレント教育やリスキリングの観点から、特定の知識やスキルに焦点を当てた短期学習の証明(マイクロクレデンシャル)を含む非伝統的な学習が国内外で拡大しており、その評定や承認を進めていくための質保証ツールとなるNQFの役割に注目し、マイクロクレデンシャルの質保証に関する調査を進め、その成果を学会やセミナー、学術誌にて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ASEAN諸国の中でもNQFの運用が進んでいるタイについて現地調査を行い、職業資格を教育資格のレベルと照らし合わせる際の判断の根拠や職業資格の承認プロセスについて具体的な情報を収集することができた。また日本の教育資格枠組み(試案)についても、資格情報の更新を行い、ウェブサイトやセミナー、論文などで広く周知を行っている。さらに、近年NQFの機能のひとつとして注目されているマイクロクレデンシャルの質保証にも焦点を当て、セミナーや論文などで研究成果を公表した。この点において、当該研究は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
日本版NQF(JQF)構築の可能性を視野にいれつつ、その基礎情報となる学校教育法上にある「日本の教育資格枠組み(試案)」を引き続き検討・更新し、さらにユネスコ規約で求められるマイクロクレデンシャルを含むノンフォーマル学習、インフォーマル学習の質保証とNQFの活用についてASEANを中心に国際動向を確認する。その成果については、学会やセミナー、論文などで報告を行う予定である。
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