研究課題/領域番号 |
20K02582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 大東文化大学 (2022) 群馬大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
豊泉 周治 大東文化大学, 社会学部, 特任教授 (90188813)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | デンマーク / 学習福祉 / 青年教育政策 / 予備的基礎教育 / 社会的投資福祉国家 / アクティベーション / 生涯学習社会 |
研究開始時の研究の概要 |
デンマークの青年教育施策は,学校からドロップアウトした若者(「学習弱者」)の教育的・社会的包摂をめざす多様な教育制度によって注目されてきた。「生産学校」や成人教育センターの予備教育コースでは,学校教育での「失敗」を取り戻すためのセカンドチャンスとして,伝統的な学校形式とは異なるオルタナティブな学習の機会が提供されてきた。それらの特色を表現する言葉として,米英型の「就労福祉」とは異なるデンマークの「学習福祉」がある。2019年に創設されたFGUは,デンマークにおける青年教育政策と学習福祉のいかなる展開であり,発展であるのか。本研究はその点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
「予備的基礎教育(FGU)」の制度創設(2018年8月)に焦点を当てて,1990年代以降のデンマークにおける「学習福祉」と青年教育政策の現代的展開について研究し,それらの政策的展開が英米型の新自由主義に基づく「就労福祉」とは一線を画することを明らかにした。日本でもこの間,新自由主義型の教育政策が進行し,学校から就労への移行途上の若者たちを格差と分断に巻き込んだ。上梓した単著では,デンマークの政策と日本の若者の状況とを対照し,「日本とデンマークとの間」の相違を論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のデンマークはもっぱら「幸福の国」として語られるが,その「幸福」がどのようにもたらされたのか,新自由主義の道をたどった日本とどのように異なるのかについて,学術的に論じられることはあまりない。本研究の成果は,デンマークにおける「学習福祉」と青年教育政策の展開からその点を明らかにした点で,学術的に有意義であったと考える。「新自由主義からの脱去」が政治的にも唱えられるようになった昨今,本研究は,オルタナティブな政策モデルを具合的に提示した点で,社会的にも有意義であったと考える。
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