研究課題/領域番号 |
20K02590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
高橋 靖幸 新潟県立大学, 人間生活学部, 准教授 (30713797)
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研究分担者 |
元森 絵里子 明治学院大学, 社会学部, 教授 (60549137)
土屋 敦 関西大学, 社会学部, 教授 (80507822)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 子ども観 / 子ども史 / 児童虐待 / 社会的養護 / 児童労働 / 社会学 / 子ども社会学 / 社会構築主義 / 構築主義 / 児童養護施設 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の中核的な問いは、日本の近代的な子ども観が「保護」と「教育」の概念の連関のなかでどのように形成されたのか、ということにある。本研究はこの問いを解明するため、明治期から昭和戦前期にかけての「児童虐待問題の歴史」「児童養護施設の歴史」「児童労働問題の歴史」を対象として、「保護」と「教育」の言説の連関による近代的な子ども観の構築の過程について分析と考察を行う。こうした本研究の実践は、日本の近代的な子ども観の形成の歴史を複層的・重層的にとらえる成果となるのみならず、子ども社会学理論の更新をもたらすとともに、今日の子どもの「保護」と「教育」の連関を考えるために必要な資料と視角を社会に提供する。
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研究実績の概要 |
令和5年度の研究実施計画に基づき、(A)子ども社会学・子ども史研究の研究動向を理解するために文献講読を行うこと、(B)各自、資料収集と読解により担当する分野の子ども観について検討を行うこと、(C)前年度の各自の成果を発表していくこと、そして(D)これまでの3年間で得られた研究の知見を統合して、本研究の問いに対する明確な見識を学会報告や論文発表を通じて提示すること、に取り組んだ。 (A)については、これまで同様、オンラインによる定期的な研究会での文献講読・文献検討を実施した。(B)については、公共図書館、大学図書館の利用、および国立国会図書館の訪問や遠隔複写サービスなどを活用し、新たな歴史資料の収集に努めた。結果、各自が本共同研究の全体の成果につながる歴史資料の収集を実現することができた。 (C)については、これまでに各自で収集した歴史資料の検討と研究会での議論の成果の一部を論文化して発表した。研究代表の高橋靖幸は、2024年2月、単著『児童虐待の歴史社会学』(勁草書房)を刊行した。研究分担者の元森絵里子は、2023年9月『生活経済政策』(321)、及び2024年3月『現代思想』52(5)にて論文を発表した。同じく、研究分担者の土屋敦は、2023年7月『医学が子どもを見出すとき』(勁草書房)、及び2023年9月『社会的養護の社会学』(青弓社)にて論文を発表した。 (D)については、その成果の一部を、令和3年度にすでに、元森・高橋・土屋・貞包『多様な子どもの近代』(青弓社、2021 年)として刊行している。さらに、研究代表の高橋靖幸が、2023年6月に日本子ども社会学会第29回大会、及び2023年9月に日本教育社会学会第75回大会にて、本共同研究の統合的な知見の一部を提起する報告を行った。現在、これらの研究成果をより具体的に論文化し、最終的な成果報告を展開する段階に至っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3名の共同研究者がそれぞれ、各々の担当する時代や領域の子ども問題について、 当初の計画に則り、歴史資料収集と読解を継続することができている。3名の勤務地は東京、大阪、新潟と地理的な隔たりがあるものの、オンライン会議サービス「Zoom」を使用して研究会を定期的に開催することで、研究課題の確認、研究内容や進捗の共有を図ることができた。研究経過の共有のために必要な研究会の開催は、各自、本務校での業務や授業の対応に引き続き時間が割かれたが、計画的に日程を確保し定期的な研究会の開催につとめることができた。また本共同研究のこれまでの研究成果の一部を、論文の発表や学会等の発表によって発信することができた。 しかしながら、各自の成果を3人の共同成果としてまとめあげて発表する点には課題が残された。令和3年度には事前の計画に先行するかたちで、3人の共同成果の一部を書籍出版・発表することはできたものの、本共同研究の目的達成のためにさらなる成果の積み上げが期待される。研究代表の高橋靖幸は、2023年6月に日本子ども社会学会第29回大会、及び2023年9月に日本教育社会学会第75回大会にて、本共同研究の統合的な知見の一部を提起する報告を行った。加えて、研究分担者の元森絵里子が、2023年9月に日本教育社会学会第75回大会の課題研究にて、また同じく研究分担者の土屋敦が、2023年6月に比較家族史学会春季大会のシンポジウムにて、本共同研究の統合的な成果となる発表を実施した。今後は、当初の計画の通り、研究代表者が中心となってこれらの研究成果を統括し具体的に論文化していくことが求められている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度においては、令和5年度までの研究作業であった(A)子どもの歴史性・構築性をめぐる欧州の子ども社会学・子ども史研究の研究動向を理解するため文献講読を行うこと、(B)各自の資料の収集・読解により、それぞれの担当する領域の子ども観の検討を行うことを継続していく。 さらに期間延長申請の承認を得て最終年度となる令和6年度は、これまでの各自の研究の成果によって得られた知見と課題から、各領域のつながりや共通の歴史観を検討する作業を共同で進めていき、また令和5年度までに発表することのできた研究成果を基軸に、それらを統合するかたちで本研究の問いに対する明確な見識を論文発表を通じて提示する。本研究の成果は、最終的に学術書としてまとめて公刊することを目指す。 令和5年度は、3人の研究成果を各自の研究発表として発信することができたものの、それらを統合して共同成果として論文化する作業にやや課題が残ってしまった。令和6年度は、定期的に開催する研究会の機会に議論を丁寧に行い、最終年度の本共同研究の成果としてまとめあげる作業に邁進する。
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