研究課題/領域番号 |
20K02603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
周 飛帆 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80270867)
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研究分担者 |
WANG WEITING 千葉大学, 国際未来教育基幹, 特別語学講師 (30572648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中国人の留学 / 都市中間層 / 地域差 / 家族の意識 / 階層と教育 / 中国人留学生 / 意識調査 / 家族の資本と格差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は中国上海市松山区、深セン市南山区における量的、質的調査をメインとする実証研究である。 調査は三段階に分けて行う。第一段階では進学校に在籍する中学生の子ど もを持つ家庭に絞り、アンケート調査を実施する。留学の意思を明確に持つグループとそうでないグループに分け、その傾向と要因の相互関係に注目する。第二段階(インタビュー調査)では、保護者の生活歴、家庭における教育活動などの項目について聞き取る。第三段階(都市、階層性の分析)では、二大都市圏の中間層に共通する要因を分析しつつ、中間層内部に存在する経済資本、文化資本、社会関係資本の質とその動員活動の差異について考察する。
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研究実績の概要 |
2022年度では、中国における現地調査を中心に研究を進めた。調査は中国のゼロコロナ対策を緩和した2023年2月24日から3月14日の期間中に行った。都市中間層の家庭における留学に関する意識から、中国の社会変動と家庭の対応という本研究のテーマに基づいて、次の作業的課題を設定し、調査に望んだ。 ①コロナ禍期間中において、外国留学に対する家庭の意識にどのような変化があったか、②こうした意識に所在地域、所属階層、子どもの在学学校による差異があるか、③広い意味の「国際教育」がどのように行われているか、④外国留学の代替措置として、国内移住がどのように進んでいるか。 この作業的課題を元に、中国山東省青島市、湖南省長沙市、海南省三亜市において、公立私立中高、留学斡旋組織、留学準備教育機関、留学に関する専門家、留学希望を持つ保護者に対して、インタビュー調査を行った。 現地調査の結果について、2023年4月現在分析を進めているところだが、以下の点が明らかになった。 ①欧米諸国におけるコロナ対策に対する認識や、中国人に対する言動に対する認識において、保護者に大きな差異が存在する、②その差異には地域の差より保護者自身の外国生活歴の有無や、将来展望に左右されることが多い。③コロナ禍における経済的状況の変化において、留学に対する意欲は依然として高いものの、安心感が高く、安価である日本や韓国に関心を寄せる保護者が多い。④留学予備教育は全寮制の予備校からオンラインによる個人授業まで多種多様に展開しており、競争も激しい。⑤大学卒業後の就職競争が激しくなる中、英語一辺倒の教育から、進学や留学に結びつく、日本語や韓国語などの「少数言語」に期待が集まっている。 2021年度に行った質問紙調査に合わせて総合的に分析する途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゼロコロナ対策を緩和したところで訪中し、現地調査を行ったことは大きな成果であった。 一方、訪問した時期は春で、留学希望者が意思決定をする夏季ではないところから、留学意欲を持つ家庭を特定するのに困難が伴った。 そうした中で、家庭訪問の他に、複数の地域において異なるタイプの教育機関に訪問できたことは今後に繋がる意義があった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度では、夏に本研究2回目の現地調査を行い、今年度のものと比較、補足をしながら、分析を進めていく予定。
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