研究課題/領域番号 |
20K02605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
奥田 久春 三重大学, 高等教育デザイン・推進機構, 特任講師(教育担当) (30535373)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中等教育修了資格 / オセアニア島嶼国 / 地域的調和化 / リージョナリズム / ローカル化 / 校内評価 / サモア / トンガ / 校内評価と学校外評価 / ナショナルカリキュラム / キリバス / 探究的な学習 / 共通性とローカル化 / SOLOタキソノミー / 各国の相互作用的な学び合い / 教育借用理論 / カリキュラム分析 / 学校に基礎を置く評価 / SOLO Taxonomy / ニュージーランド / オーストラリア / 地域機関 / 大洋州島嶼国 / 後期中等教育 / 教育借用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は大洋州島嶼国の中等教育資格試験において導入されている「校内評価」に着目し、その導入背景と歴史的変遷過程を整理し、各島嶼国の試験制度と評価実践を比較検証していく。 具体的には「校内評価」がニュージーランドで誕生し、小島嶼国に借用され、大洋州地域において共通性を持つようになった歴史的背景と変遷、政策的意図を解明する。また「校内評価」の制度的枠組、評価規準と方法、各国の中等学校での授業実践、教員や生徒の意識を比較分析し、実態と特徴を解明する。 最終的に、小島嶼国がローカル化を進めつつ、国際的通用性を意識した地域的な教育の調和化のモデルを提示する。
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研究成果の概要 |
大洋州島嶼国の中等教育の地域的調和化に関し、ニュージーランド資格試験からの「脱メトロポリタン」、共通の資格試験(PSSC)という「リージョナリズム」、「ローカル化」を理論的枠組みとして提示した上で、大洋州島嶼国では「校内評価」という枠組みを踏襲することで調和化が起こっていることを論証した。また、サモア、トンガ、キリバスの事例から資格試験のローカル化に①資格試験の独自の運用、②ローカルの教材の導入、③ナショナルカリキュラムとの整合性の3点の意味を導き出し、これらは「校内評価」という枠組みにより可能になるとともに国際的通用性を維持している点を明らかにし、調和化の特徴であることとその課題を論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小島嶼国では高等教育に繋がる中等教育修了資格試験を大国に依存しなければならないなど不利な立場に置かれやすい。しかし、大洋州島嶼国では脱メトロポリタンを目指したリージョナリズムを経て、「校内評価」という枠組みを踏襲することで国際的通用性を維持している。また、各国ではそれぞれ①資格試験の独自の運用、②ローカルの教材の導入、③ナショナルカリキュラムとの整合性を図るという3点のローカル化が進められているという構造を明らかにすることで、これらを共通点とする地域的調和化のモデルを提示できた。一方で、これらの国々では、地域的調和化の意義でもある相互に学び合うという点で課題があることを示唆することができた。
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