研究課題/領域番号 |
20K02612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 藤女子大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
伊井 義人 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10326605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 女性教員 / 学校組織 / ライフイベント / キャリア形成 / へき地 / 職場環境 / オーストラリア / 北海道 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、教員の職場環境の悪化が多くの研究や報道を通して顕在化している。本研究は、教員の中でもへき地校で勤務する女性教員に焦点を当てて、その職場内での女性教員が同僚性構築などに果たす役割を明らかにする。特に豪州遠隔地校を調査対象とするが、そこでは現地での勤務経験が長い女性教員が管理職など、学校運営の中核的な役割を担っている事例もある。それらの事例から得られる知見を日本での女性教員の職場改善に役立つ示唆として提供したい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、豪州の遠隔地学校(へき地校)に勤務する女性教員が担うフォーマル/インフォーマルな役割を、同僚性構築の側面から明らかにすることである。その目的に沿って、これまで「先行研究における女性教員のキャリアの捉え方」「豪州・遠隔地の女性教員の職場環境を州教育省・大学はいかに理解しているのか」に関する調査研究を進めてきた。 しかし、これまで新型コロナウィルスの感染予防のため豪州での現地調査の実施ができなかった。そのため、豪州との比較軸を持つために、新たに日本(北海道)、主に遠隔地学校に勤務、もしくは勤務経験のある女性教員(特に管理職)の職場環境やキャリア形成に関する面談調査を実施を計画した。 この面談調査の実施により、本研究の最終目標である日本の教員配置方針(特に遠隔地域)に何らかの示唆を与えることに役立つと考えている。21年度・22年度ももオーストラリアでの現地での面談調査が未実施となった。しかし、日本での女性教員(管理職・初任期教員)へのインタビュー調査は実施することができた。このような日本での調査結果を踏まえ、23年度はオーストラリアでも教員や研究者へのインタビューを実施したい。 日本でのインタビュー調査では、管理職の女性教員への登用については制度面での障害と同時に、学校文化が醸成する課題が改めて明らかとなった。また、初任期の女性教員にとっては、赴任先の学校の特性、そして教員自身の「適性」が特に遠隔地域での勤務及び日常生活に影響を及ぼすことがわかった。 23年度に実施予定の本調査では、日豪両国における女性教員が直面するフォーマルな障害とともに、インフォーマルな壁を明らかにするとともに、それらを打開する方策についても考察していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
20年度・21年度・23年度ともにオーストラリアでの現地調査ができず、日本でのインタビュー調査を実施し、その内容を考察するに留まっている。そのため、23年度はそれらの成果をもとにしながら、本格的な日豪の比較調査を数回に渡り、実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
23年度も、コロナ禍の状況によっては、特にオーストラリアでの現地調査の実施が難しい場合も想定される。その場合は、現地調査に拘ることなく、オンラインでのインタビュー調査を実施したい。また、オーストラリアより教師教育学研究者を日本に招致し、公開研究会を通した情報交換を実施したい。 それらの結果をもとに、日本比較教育学会などでの成果発表を予定している。
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