研究課題/領域番号 |
20K02613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
西村 洋一 聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (70406809)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | インターネット利用 / 小中学生 / 保護者の介入行動 / 介入行動 / 小中学生のインターネット利用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,小中学生のインターネット利用に及ぼす対人的要因を明らかにすることを目的としている。青少年のインターネット利用にはリスクの存在が指摘されており,その介入のあり方について議論がなされてきた。その一方で,青少年のインターネット利用に対する保護者の介入行動についての研究知見は少ない現状がある。そこで本研究では,保護者の介入行動の実態について詳細に検討を行う。実証的なデータを踏まえ,小中学生のインターネット利用に対する保護者の介入のあり方ついて議論するための土台となる知見を提供する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本の小中学生のインターネット利用に対する保護者の介入行動の実態を把握することである。欧米を中心に複数の調査で実態が明らかにされており,子どものインターネット利用の影響についての分析が継続されてきた。日本においても同様の詳細な実態把握を行う必要がある。そこで,諸外国の知見をふまえつつ,介入行動を測定するための項目を選定し,保護者や家庭の状況といった変数による介入行動の違いがありうるのかといった点で検討を行うものである。 令和4(2022)年度においては,令和3(2021)年度において行った調査のさらなる詳細な分析とその結果についての論文の公表を行った。調査の目的は,子どものインターネット利用に対する保護者の介入行動の実態を把握すべく尺度項目を精選することであった。諸外国の先行研究を参考にし,インターネットの介入行動についての知見をまとめた西村(2022)を土台としながら,項目の収集・選択を行った。分析結果より,保護者による介入行動は,「積極的介入」,「安全利用に向けた積極的介入」,「モニタリング」,「制限的介入」,「ルール設定」,「技術的コントロール」,「子ども主導による支援」の7つの要素で把握されることが示された。また,当尺度で得られた変数について信頼性と妥当性の検討において,概ね予測と一致する結果が得られた。これらの結果から,日本における子どものインターネット利用に対する介入行動を把握する尺度が構成するという成果が得られた。 令和5(2023)年度は,介入行動に与える保護者の属性についてさらに分析を行い,それをふまえてより大規模な調査を実施する。特に教育格差といった点が問題として指摘されている現状から,世帯収入や保護者の学歴,居住地といった属性に焦点をあてた調査としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4(2022)年度においては,介入行動の実態を把握する尺度を構成し,大規模調査を実施するべく研究を遂行してきた。尺度構成にかかる研究の成果については学会での発表と論文にまとめ公表することができたが,それらの作業の中で課題もみられ,介入行動の実態把握を行うという最終的な目標に向けてはより入念な準備が必要であることが理解された。そのため,令和4(2022)年度は,調査データの詳細な分析と文献のさらなる収集に努めることとした。結果として,年度内の大規模調査の実施は見送ることとなり,研究の進度としては遅れたことになるが,より有益な知見を得るための時間とし,令和5(2023)年度で本研究の成果につなげたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和5(2023)年度は,令和4(2022)年度に行った分析結果をふまえ,調査を実施する。本研究の目的より,保護者の学歴や世帯収入,あるいは居住地といった属性変数を採用することは決定しているが,先行研究から再度洗い出しを行い,実態把握に必要な変数を精選するなど,より有用な知見が得られるよう十分な準備を行う。その上で,ウェブ調査(リサーチ会社への委託により実施)を行う予定である。本調査については,大きなサンプルサイズを確保し,保護者の介入行動と属性変数やその他の介入行動にかかわる変数との関連が検討可能となるよう計画する。本調査実施と分析結果をふまえ,最終的に現状の日本における子どものインターネット利用への介入行動への実態としてまとめを行う。
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