研究課題/領域番号 |
20K02615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山崎 直也 帝京大学, 外国語学部, 教授 (10404857)
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研究分担者 |
日暮 トモ子 日本大学, 文理学部, 教授 (70564904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 書院教育 / 教養教育 / 台湾 / 中国 / 香港 / マカオ / 高等教育 / 教育改革 / レジデンシャル・カレッジ / 書院 / 高等教育改革 / 大学 / 学生寮 |
研究開始時の研究の概要 |
2016-18年度科研費研究課題「レジデンシャル・カレッジの導入と定着にみる中台港澳高等教育改革比較研究」(課題番号:16K04625)を発展的に継承し、2000年代後半以降、中国語圏(中国・台湾・香港・マカオ)の大学が多様な形式で推し進める「書院」と呼ばれる取り組みの比較研究を行う。本研究課題では、特に歴史的文脈と教育効果に着目し、地域・大学によって多様性を呈する「書院教育」のあり方を生み出した各地域の高等教育の歴史的文脈を紐解くと同時に、「書院教育」の10年余りの取り組みがいかに評価されているのか、大学及び社会による教育効果測定の動きを比較していく。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究代表者の山崎が台湾とマカオ、研究分担者の日暮が中国と香港の大学の教育(書院教育、教養教育)に関する調査を継続し、その成果を発表する一方で、2023年7月と10月に台湾の国立成功大学歴史学系からゲストスピーカーを招き、同大学が実践する全学必修のフィールドワーク科目「踏溯台南(台南を歩く)」を主題とする公開の研究・教育イベントを共催することが出来た。3千人の新入生が大学の所在地である台南でのフィールドワークに取り組む全学必修科目「踏溯台南」は、教養教育改革の実践として台湾で大きな注目を集めており、本研究課題が主題とする書院教育にも少なからぬ影響を与えている。7月に九州大学西新プラザで国際教育フォーラム、10月にアジア教育学会第18回研究大会(日本大学文理学部)と早稲田大学台湾研究所(会場は東京大学駒場キャンパス)で関連公演を実施したが、その内容は日本の大学教育に対する刺激的な問題提起を含むものとなった。アジア教育学会での基調講演は、2024年度中に同学会の紀要『アジア教育』に掲載される予定である。2024年3月には、Covid-19以降初となるマカオ大学の書院(Residential College)の調査も再開され、4年間の空白期を経て、変化した書院教育を観察することが出来た。また、2月には、日本国内での関連する実践として秋田県の国際教養大学でもテーマ別ハウスの調査を行った。総じて、引き続き大きな制約はあったものの、再延長の次年度に繋がる研究を行うことが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中国・台湾・香港・マカオの書院教育について文献調査は進んでおり、中国・台湾・香港・マカオの教養教育改革、日本国内における関連事例の調査と当初の想定以上に研究の幅も広がっているが、本研究は当初段階から、Covid-19によって、現地大学での視察、関係者への聞き取りに大きな支障が生じている。このことは、「学び」と「生活」を融合させる高等教育の改革の取り組みを主題とする本研究にとって致命的な損失である。現在、混乱状況は次第に収束しつつあり、台湾・香港・マカオでは現地調査も可能となっているが、中国への渡航並びにフィールドワークの実施については、依然として一定の制約がある。2022年度末に当初の研究期間終了時期から1年の延長を行ったが、十分な研究成果を挙げるためには、再度の延長が必要であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
比較的自由に現地調査が行えるようになっている台湾・香港・マカオの事例を中心に研究を深めつつ、様子を見ながら中国の調査を進めていく。同時に、日本国内、韓国、シンガポールの関連する取り組みにも目を向ける。足かけ5年間の研究を総括し、関連学会での口頭発表、論文投稿を行う予定である。
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