研究課題/領域番号 |
20K02621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 帝塚山学院大学 |
研究代表者 |
土田 陽子 帝塚山学院大学, 総合心理学部, 教授 (30756440)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 高等女学校 / 同窓会組織 / 教育事業活動 / ジェンダー / 歴史社会学 / 女子高等師範学校 / 教育事業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代日本における公立高等女学校と官立女子高等師範学校の同窓会組織が行っていた「教育事業」活動に焦点をあて、第一に、同窓会組織がいかなる活動を行っていたのかその実態を掘り起こし、第二に、それらの事業が戦後どのように継承、再編、廃止されたのかについて、男女共学制の導入を伴う戦後教育改革の影響に留意しながら歴史的に解明することを目的としている。 そのため、戦後男女共学化した公立高等女学校5校、男女別学が維持された公立高等女学校3校、戦前・戦後とも男女別学の官立女子高等師範学校2校という3つの学校グループの事例研究から、「教育事業」活動の全体像についてジェンダーの視点を交えて歴史的に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、公立高等女学校と官立女子高等師範学校の同窓会組織に焦点を当て、1)戦前期においてどのような「教育事業」を運営していたのか整理し、2)それらの「教育事業」が戦後教育改革期を経て、いかなる要因によって維持/廃止されたのかを実証的かつ具体的に解明することを目的としている。 4年目にあたる2023年度は、次の3点に取り組み、研究を進めた。 1点目は、これまで国立公文書館で収集をしてきた史資料の再整理と追加収集である。一例を挙げると、すでに収集が終わったと思われていた女子高等師範学校に関する新たな非公開史資料が追加されたことがわかったため、閲覧のための審査請求・史資料収集を行った。これらの史資料から、奈良女子高等師範学校の同窓会組織「佐保会」が運営する佐保女学院の戦後の動き、すなわち各種学校から短期大学への昇格のプロセスが明らかになった。 2点目として、戦後教育改革期に男女共学化しなかった元高等女学校と、共学化した後に別学体制に戻った学校の同窓会資料の収集を行った。具体的には、埼玉県立浦和高等女学校の「麗風会」と岩手県立盛岡第二高等学校の「白梅会」である。両校とも幼稚園経営に携わっていたという共通点がある。 3点目が、研究成果の公表である。関西圏の大阪府立大手前高等女学校同窓会「金蘭会」と、兵庫県立第一神戸高等女学校同窓会「欽松会」の教育事業活動の特徴について、「関西教育学会年報」第47号と「帝塚山学院大学研究紀要」第4号で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は史資料収集作業の遅れをある程度取り戻すことができた。しかし、予定していた岩手県、埼玉県、栃木県での現地調査のうち、栃木県のみ実施することができなかった。また、国立公文書館の資料閲覧の審査請求が一ヶ月に3件ずつの審査となったため、年度内に資料を収集しきれなかった。さらに、同窓会組織への聞き取り調査もスムーズに進まず難航しているため、研究の進捗にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、1)戦前期においてどのような「教育事業」を運営していたのか整理し、2)それらの「教育事業」が戦後教育改革期を経て、いかなる要因によって維持/廃止されたのかを解明するため、研究対象である公立高等女学校同窓会と官立女子高等師範学校の史料と文献を収集・整理・検討する。まず、前年度に現地調査ができなかった栃木県立宇都宮第一高等女学校の史資料を収集する。次に研究計画書にしたがい、引き続き女子高等師範学校の史資料調査を行う予定である。これらの資料が揃った段階で論文執筆に入る。
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