研究課題/領域番号 |
20K02629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
藤本 松香 (古賀松香) 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70412418)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 2歳児の保育 / 実施運営の質 / 保育者の専門性 / 保育プロセスの質 / 構造の質 / 2歳児 / 幼稚園 / 子育て支援 / 満3歳児 / 子育ての支援 / 幼稚園における2歳児の保育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現在多様に展開する幼稚園の2歳児の保育における実施運営の質と、その保育プロセスで発揮されている保育者の専門性について解明することを目的とする。 (1)実施運営の質の実態把握:①通常型と特別型の保育スケジュールと課題の多い時間帯の特徴 ②保護者支援と保育内容の年間計画における関連性・進行性・接続性 ③保育環境と動線・トラブル発生状況等の関連性 以上3点をアンケート・資料収集・観察により検討する。 (2)保育者の専門性の検討:①保育者の連携体制と実践 ②2歳児の姿に応じた身体的・状況的専門性 以上の2点について、保育実践の観察・インタビューに基づき検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、引き続き2歳児の保育に関する実地調査(研究①横断調査、研究②縦断調査)を行った。いずれも関西圏内で2歳児の保育を実施している国公私立幼稚園において、終日の保育観察と事前事後インタビューを実施している。その結果の一部として、以下のようなことが明らかとなった。 (1)実施運営の質の実態把握 研究①②の対象者計33名中28名(84.8%)は私立園勤務だが、保育経験年数が5年未満の者は33名中3名(9%)のみで、中堅・熟練層(経験年数5年以上)の保育者が多い。そのうち2歳児クラスの担任回数が5回未満である者が22名(69.7%)であった。幼/保の経験年数では、保育所保育士としての経験を持つ者は少ない一方(0年が19名57.6%)、3歳以上の幼稚園教諭としての経験の蓄積があり、経験のない者は2名(6%)のみであった。雇用形態は、20名(60.6%)が非正規雇用であり、経験豊富な保育者が結婚・出産を経て非正規で再雇用されるケースの多さが伺えた。幼稚園の3歳以上のクラスを基本的には一人担任でもっていた保育者が、2歳児の保育において複数担任の連携保育を行っていること、また、3歳未満児の保育の経験は7割程度が初任層(経験年数5年未満)であり、3歳以上児の保育の専門的知識・経験を活かしつつ、新たに学びながら実践に臨んでいることが推測された。 (2)保育者の専門性の検討 上記のような特徴のある保育者が事前インタビューで語った内容を分析したところ、2歳児の育ちの姿に新鮮な保育の喜びを感じている語りが特徴としてみられた。また、2歳児の保育自体の経験は少なくとも、保育経験や保護者支援の経験豊富な保育者とチームで相談したり関与したりすることが支えとなっていることも多く語られ、全体としてやりがいを感じ、2歳児の成長を楽しむ保育者間の協働的専門性が発揮されていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行があったことで、フィールド調査の開始が遅れたことから、全体の進行が遅れている。しかし、調査自体は終了したことから、今後は分析と論文化をすすめていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでに収集したインタビューデータおよび観察データの分析を進め、研究発表、論文化を行っていく。特に、幼稚園の2歳児の保育担当者間の連携や肯定的な保育観、大変ながらも支え合い保育を楽しもうとする協働的な専門性について焦点を当てながら検討を行う。
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