研究課題/領域番号 |
20K02630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石附 智奈美 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (50326435)
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研究分担者 |
宮口 英樹 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (00290552)
宮口 幸治 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20706676)
藤井 浩美 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (30199294)
飯田 忠行 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50290549)
森田 良文 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00241224)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 把握力調整能力 / 少年院 / 不器用 / 微細運動機能 / iWakka / ペグボード / 非行少年 / 就労のつまずき / 境界知能 / 少年矯正施設 / 微細運動調節 / コグトレ / 就労支援 |
研究開始時の研究の概要 |
少年矯正施設における再犯防止推進計画の重点分野の一つは「一般就労と福祉的支援の狭間にある者の就労の確保」である。狭間にある者とは発達障害等の傾向を示す者(境界知能者)を指し、特別な支援が必要とされるが、就労に向けた介入方法や効果については実証されていない。そこで、境界知能者の就労における課題を協力雇用主等から聞き取り調査して実態を把握し、COGETおよびCOGOTの課題を利用して境界知能者の認知機能および運動機能をアセスメントする。そして就労に必要と予測される手指の微細運動調節能力と認知機能の関連を明らかにし、少年院にて実施可能な就労に向けた認知運動プログラムを開発・試行し効果検証を行う。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染により少年院への入室が制限されていたため、当初の計画の多くは実施できなかった。 入室が許可された2022年12月に少年院在院の少年に対して評価を実施した。対象者は16歳~20歳(18.12±1.37)の17名。利き手は右が14名、左が3名であった。測定項目は1)把握力調整能力評価iwakka(運動性注意力)、2)M-ABC2(運動の不器用さ)、3)握力・ピンチ力、4)両手協調運動検査パデューペグボードを行った。把握力調整能力評価iwakkaは、3回実施して、 Adjustability for grasping force(以下、AGF)平均、等心性平均、求心性平均、遠心性平均を算出した。M-ABC2は、①ペグ返し、②ねじ締め作業、③なぞり書き、④ボールキャッチ、⑤ボール投げ、⑥両足バランス、⑦一本道歩き、⑧ケンケンを実施し、得点を算出した。把握力調整能力評価iwakkaを主要評価項目とし、MABC2の下位検査および握力・ピンチ力、両手協調運動検査との関連を分析した。 結果、把握力調整能力評価iwakkaにおいて、AGF平均値3.55±0.55、中央値3.29、等心性平均値1.90±0.59、中央値1.81、求心性平均値3.82±0.80、中央値3.65、遠心性平均値4.10±1.02、中央値3.88であった。M-ABC2の②ねじ締め作業と遠心性(0.46)・等心性(0.35)・求心性(0.2)の中程度の相関が認められ、④ボールキャッチ非利き手と求心性(0.33)・等心性(0.18)にも相関が認められた。その他の項目では相関は認められなかった。 今後は微細運動のプログラムとその効果について検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染により少年院への入室が制限されていたため、当初の計画の多くは実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
作業療法を活用した認知プログラムに微細運動のプログラムを加えて改良を行う(以下認知・運動プログラム)。認知・運動プログラムは,宮川医療少年院で実施され一定の効果が得られているコグトレ(認知機能強化トレーニング,認知作業トレーニングの課題および認知社会スキルトレーニング)とiWakkaを利用して作成する。 認知・運動プログラムの試行と効果検証では、指導期間はおおむね4か月の期間とし,指導時間は1単元90分を標準として,全15単元とする。<受講者数は、おおよそ10名。評価ポイントは,プログラム実施前,実施後,終了3か月後とする。 評価項目は、把握力調整能力評価iwakka(運動性注意力)M-ABC2(運動の不器用さ)、握力・ピンチ力、両手協調運動検査 パデューペグボードとする。 把握力調整能力評価を主要評価項目とし、MABC2および握力・ピンチ力、両手協調運動検査との関連を分析する。年齢をマッチングさせたコントロール群との比較を行う。
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