研究課題/領域番号 |
20K02637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 文化学園大学 (2022) 東洋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
趙 晟恩 文化学園大学, 造形学部, 准教授 (80801480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 保育 / 公園 / 遊び場 / 保育者 / 外遊び / 屋外活動 / 園庭 / 都市 / 受容性 |
研究開始時の研究の概要 |
育児と仕事の両立のための子育て施策が考案される中、保育サービス拠点の設置基準を緩和させることにより待機児童数は減少傾向にある。だが、園庭を設けなくても設置可能となった保育サービスが多くなり、地域の近隣公園や遊び場への需要が高まった。都市において近隣公園などを増やすことは困難であり、限られた環境資源の中で保育の質を担保できる仕組みが必要である。本研究では、都市部における保育サービスの外遊びの実態を把握し、地理情報システムによりこどもの遊び場の「空間量」を可視化すること目的とする。これらを分析することにより、保育サービスにおける外遊びの需要と地域特性を踏まえ、共助できるまちづくりの施策を提案する。
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研究実績の概要 |
近年、都内では保育サービス拠点の設置基準を緩和させることにより待機児童数は減少している。だが、園庭を設けなくても設置可能となったため、地域の近隣公園や遊び場は多くのこどもたちにより利用されている。園庭を設けた保育サービスの増設が難しいことと同様、地域内の近隣公園等遊び場を増やすことも困難であり、限られた環境資源の中で保育の質を担保できる仕組みづくりの必要性は高い。そこで、都市部における保育サービスの外遊びの実態を把握するためにアンケート調査を実施した。 アンケート調査は東京都A区を対象とし、区内の全126保育サービス拠点に実施し、55件の回答が得られた(有効解答率43.7%)。アンケート調査では、主に外遊びの実施状況、各保育サービス拠点を中心とした地図に、よく利用する、好ましい環境の公園とそうでない公園を選び、その理由について記述してもらった。 保育の時間における外遊びは園の敷地内に園庭やベランダ、屋上等がある場合は気軽に行うことができるが、そうでない場合は近隣への「お散歩」として行われている。外遊びの時間は約60%が充分であると答えたが、場所に関しては約33%が充分、約46%が足りていないと回答した。保育時の外遊びはこどもの生活と成長に欠かせないが、活動場所が不充分であるといえる。 外遊びにおける「好ましい」遊び場を選定してもらった結果のうち、多くの園より選ばれた場所とその理由について抽出し、分析を行った。その結果、面積においては一貫した傾向は見受けられていないが、好ましい理由では、「広さ」は考慮要因として挙げられていることから、「充分な広さ」については数値で表す面積ではなく、こどもの行動や活動に適した基準があると推測される。また、公園ではない場所としては大学や神社、整備された遊歩道等が挙げられ、遊び場に関しては遊具の有無だけでなく開放的な場所への需要があることが読み取れた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響により当初予定していた現地調査が難しい状況だったが、アンケート調査により代替することにより一定の成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
都市部における保育サービス拠点の外遊びは日中欠かせない活動のひとつであるが、場所に関しては足りていないと感じる保育者が多いことが把握できた。またその場所に関しては他園、他の利用者との共有が前提となっていることもあり不自由と感じつつも声に出しづらい現状も伺うことができた。このような状況の中、公園の「広さ」は物理的意味ではなく保育に適した意味合いを持ち、選定において重要な要素であることからそれらに焦点をあてた調査が必要であると言える。
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