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遊びの豊穣化と想像力の育成に資する幼児・児童版シアターゲームの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K02645
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09030:子ども学および保育学関連
研究機関秋田大学

研究代表者

保坂 和貴  秋田大学, 教育文化学部, 講師 (60624153)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードシアターゲーム / インプロ / スポンタネイティ / 演劇 / 演劇的手法 / ヴァイオラ・スポーリン / 遊び / スポーリン / 子ども / 想像力 / ごっこ遊び / キースジョンストン / 幼児・児童
研究開始時の研究の概要

本研究では、幼児期・児童期の子どもの遊びを豊かに充実したものとするため、スポーリン(Viola Spolin)の思想・哲学を基盤とした日本版シアターゲームプログラムを開発する。スポーリンの「シアターゲーム」は、舞台の上で演じる俳優の力量を向上させるトレーニングでありながら、子どもの表現力やコミュニケーション能力、想像力の育成につながる要素を数多く含んでいる。舞台芸術の世界の知見や技法を子どもの遊びの世界に持ち込むことができるのか、舞台と遊びの分水嶺はどこにあるのか、その共通性と差異を明らかにし、子どもの遊ぶ力の育成と保育者・教育者の支援につながる方法を探究する。

研究実績の概要

本研究は、幼児期および児童期の子どもの遊びを、想像力と創造力を豊かに発揮できる充実した活動として育成するためのシアターゲームプログラムの開発を目的としたものである。ヴァイオラ・スポーリン(Viola Spolin)のシアターゲームの思想と哲学を中心に、舞台演劇や即興演劇「インプロ」に用いられるシアターゲームを整理・体系化し、それらを実践することで、子どもの日々の生活や遊びにどのような変化が生まれるかを明らかにすることを目指している。
2020年度からシアターゲームの理論の整理とプログラムの構想を進めてきたが、2023年度新型コロナウィルス感染症が5類感染症に移行したため、子どもを対象としてシアターゲームプログラムを実施することが可能となり、その効果の検証とプログラムの精緻化に着手することができた。また、シアターゲームの実践に際して、2023年度は一般社団法人わらび座と所属のインストラクター、および放課後児童クラブと連携を開始し、予備的実践を行うことができた。そこからシアターゲームにおける相互行為の特徴的な構造が見出され、分析を進めている。
理論面では、シアターゲームにおける「観客」の役割に注目し、「演劇的手法」を教育分野に応用する際の問題点と可能性について検討した。子どもが人前で表現することに対する「恥ずかしさ」や「苦手意識」を許容しながらも、ともに想像の空間を立ち上げることが学びの可能性を拓くことを指摘した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

シアターゲームは、身体的な接触や対面状況を伴うため、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年から2023年5月までの期間において実施やデータ収集が困難であった。この期間中、本研究ではヴァイオラ・スポーリンのシアターゲームの思想や哲学、即興演劇(インプロ)に関わる理論の整理を行った。スポーリンのシアターゲームは、言葉に依存せず、ものや空間との身体的なかかわりを通じて表現を生み出す特徴があり、特に幼児期および児童期の子どもに対して効果的であると考えられる。
2023年度感染状況の改善にともない、児童を対象としたシアターゲームの実践を開始したが、研究協力者や協力機関との連携構築、および信頼関係(ラポール)に時間を要し、予備的な実践と調査の段階である。今後は、シアターゲームの定期的な実践を通じて、子どもの変化を縦断的に観察しデータを収集する予定である。特に、子どもたちの想像力や創造力、対人関係能力、自己表現力の変化を詳細に分析する計画である。また、それらの検討を通して、シアターゲームプログラムの改善を目指す。
研究の最終年度として、プログラムの体系化・精緻化を目指すとともにシアターゲームの最適な実践方法を見出し、研究成果として発表を行う計画である。

今後の研究の推進方策

2024年度は、一般社団法人わらび座と所属のインストラクター、そして児童放課後クラブとの連携を通じて、シアタープログラムの定期的な実践を展開する。以下の3つのポイントを重点的に考察し、探究する。
①シアターゲームプログラムの実施による子どもの変化の検証:シアターゲームの実践を通じて、参加する幼児・児童が日々の活動や遊びにどのような変化が現れるのかを検証する。また、自己表現力、対人関係能力、想像力の育成などについて検討する。
②ファシリテーターのための指南の作成と検証:シアターゲームプログラムを実践するにあたって、ファシリテーター(指導者)が子どものやりとりをどのように組織し導いていくのかについて焦点を当てる。実践のなかでのファシリテーターの技術や役割、子どものニーズに合わせた適切なアプローチ等、具体的な指導方法を作成し、実際の現場で検証する。
③シアターゲームプログラムの開発と検証:①および②の結果をもとに、シアターゲームプログラムの精緻化と体系化を行う。定期的な実践にともなう評価やフィードバックを行うことでシアターゲームプログラムの精緻化を図り、子どもの成長と学びにつながるプログラムを開発する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 演劇の教育への応用に関する課題について ―スポーリン・シアターゲームにおける「観客」の意義の検討―2024

    • 著者名/発表者名
      保坂和貴
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学

      巻: 79 ページ: 119-125

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「インプロ」の応用可能性に関する考察 −ヴァイオラ・スポーリンのシアターゲームの視座から−2022

    • 著者名/発表者名
      保坂 和貴
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学

      巻: 77 ページ: 115-122

    • DOI

      10.20569/00005909

    • ISSN
      2433-4952
    • URL

      https://air.repo.nii.ac.jp/records/5593

    • 年月日
      2022-03-01
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 保育における「遊び」がはじまるとき:スポーリン・シアターゲームを手がかりとして2021

    • 著者名/発表者名
      保坂和貴
    • 雑誌名

      秋田乳幼児保育研究会報

      巻: 13 ページ: 13-25

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] びの即興的創発過程における子どもと保育者の「間合い」に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      保坂和貴
    • 学会等名
      日本認知科学会「間合い」研究分科会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 保育の心理学ー育ってほしい10の姿2022

    • 著者名/発表者名
      片桐正敏、藤本愉、川口めぐみ
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      中山書店
    • ISBN
      9784521749624
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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