研究課題/領域番号 |
20K02647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
嶋田 容子 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (60422903)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 乳幼児 / 音環境 / 会話 / 集団形成 / 抑制機能 / 保育 / 保育環境 / 子ども / 遊び / 集団 / 独り遊び / 小集団 / 聴覚 / 発声 |
研究開始時の研究の概要 |
保育の音環境が、子どもと保育者の相互行為に与える影響を明らかにすることを目的とする。まず、保育の音環境を音響学的手法および主観的評価ツールを用いて評価する。その上で子どもの発声の質や保育者との相互行為などを、ビデオ記録から分析する。また協力園に吸音材を設置することで音環境を変化させ、吸音前後の音響学的・主観的評価および子どもと保育者の行動の違いを検証する。 本研究は保育実践者との協働作業として進め、保育環境の具体的な改善方法を模索する。研究を保育実践に還元し、また音環境に関する研究課題を実践者の視点からとらえ直し、研究および保育の発展につなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
保育室に吸音材を設置して音環境を改善し、前後の子どもの行動を比較検討した。研究1では、集団形成および独り遊びについて、設置前後に調査をおこなった。音環境の改善後、小集団に参加する人数と独り遊びが有意に増加し、徘徊行動が有意に減少した。研究2では、子どもの会話を近傍で録音し、発話の関連性を分析した。その結果、静かな音環境においては発話長が有意に長かった。また、静かな音環境においては、相手の発話に対して関連性の高い応答が多く得られ、さらに自分の言葉を反復する発話が減少した。研究3では、抑制機能課題を実施したほか、私的言語を記録し、それらの環境による変化を分析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、先行研究でアプローチのほとんどされていない集団形成や会話の質といった相互行為への影響を検証した。また、複数の自治体の保育者研修において、本研究の背景と成果、そして実践的な音環境の改善方法について講義とワークショップを繰り返しおこない、広く周知を進めた。さらに、研修や学会を通じて、多くの園の音環境改善に保育者と共に取り組むとともに、環境改善前後の調査をおこなう機会とした。研究推進と並行した園での改善活動により、より的確な改善実践、およびより豊かな音環境創出について、今後のさらなる研究と実践を進める基盤を作ることができた。
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