研究課題/領域番号 |
20K02653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
西巻 滋 横浜市立大学, 医学教育学, 客員教授 (20275043)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 母乳栄養 / 母乳哺育 / 母乳育児 / 母乳率 / 母乳 / 栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では「健やか親子21」で母乳育児に取り組んでいるが、その核となる母乳栄養率の把握が10年ごとであり、諸外国に比べ十分ではない。 この研究で、個々の医療施設でいつでも行える持続可能な母乳育児調査方法を開発する。メールを使用し、生後2か月、4か月、6か月、8か月、10か月、1歳、1歳6か月、2歳の時点で回答する前向き調査であり正確でもある。経済的・人的な費用も少なく、導入しやすい。 対象は、母乳育児を推進しWHO・ユニセフから「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」として認定されている全国の施設で行う。そこでは年間に約4万人の赤ちゃんが生まれており、数万規模のデータになる。
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研究実績の概要 |
厚生労働省の「健やか親子21」では、母子の健康増進のために母乳育児を推進し、生後1か月の母乳率を60%に上げたいとしている。さらにWHOは2歳以降の母乳育児を薦めている。しかし日本では母乳栄養率の把握が10年ごとであり、諸外国に比べ十分ではない。そのデータも生後6か月間のみであり、生後1歳、2歳までのデータはない。 本年は、WHOとUNICEFから「赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital:BFH)」として認証されている横浜市立大学附属病院と横浜市立大学附属市民総合医療センターの2施設で生後2歳までの母乳育児の状況の調査を継続した。本研究に参加する新生児数は1002例となり、厚労省の2015年の調査対象1235例に匹敵する数になった。 完全母乳栄養は、生後0か月では約50%であったが、生後4、6か月で60%を超え、1歳でも約50%、1歳半で約30%、2歳でも約20%であった。横浜市立大学附属病院と横浜市立大学附属市民総合医療センターでは母乳育児が長く続いていることが分かった。厚生労働省の2015年のデータでは生後半年間の完全母乳栄養は50%とほぼ一定であったが、それと違い、生後半年にかけてその率が10%ほど増えることは特徴であった。この結果は第30回母乳育児シンポジウムで発表した。 さらに母乳栄養を阻害する周産期因子を検討した。母乳栄養の割合は、経産より初産で低く、35歳未満より35歳以上で低く、保育園に通う子で低かった。これらの違いを育児支援に役立てたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この結果を経て、アンケートを自動的に運用できるシステムを作成した。メールの自動送信にはWEBCASを運用する。保育園の使用の有無は回答項目に追加した。 現在、横浜市立大学附属病院と横浜市立大学附属市民総合医療センターの2施設で試験的に運用を行なっており、不具合などの検証をしている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
この研究で、個々の医療施設でいつでも行える持続可能な母乳育児調査方法を開発する。メールを使用し、生後1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、8か月、10か月、12か月、14か月、16か月、18か月、20か月、22か月、24か月の時点で回答する前向き調査であり正確でもある。経済的・人的な費用も少なく、導入しやすい。 それに際して、研究に参加する機関を募る予定である。なお、研究参加の条件には「赤ちゃんにやさしい病院・BFH」であることに拘らず、逆に「赤ちゃんにやさしい病院・BFH」でない施設との比較検討も行う。 成果は、周産期新生児医学会、母乳育児シンポジウム、BFH施設連絡会議等で発表する予定である。
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