研究課題/領域番号 |
20K02663
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
服部 伸一 関西福祉大学, 教育学部, 教授 (20299142)
|
研究分担者 |
半田 結 兵庫大学短期大学部, 保育科, 教授 (10595268)
井上 寿美 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (40412126)
廣 陽子 関西福祉大学, 教育学部, 教授 (90614868)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 対人関係 / 保育学生 / 保育実習 / 修学支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、発達障害の疑いがあり、対人関係が苦手な学生の実態を把握するとともに、保育者養成校の実習担当教員がどのような指導を行っているのかを量的・質的側面の双方から全国規模の調査によって明らかにしていく。そして、その結果をもとに、対人関係において配慮を必要とする学生への実習指導のあり方を構造化し、早期スクリーニングツール及び修学支援プログラム開発のための基礎資料を得ることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本年度は、保育士養成校の実習指導教員が、対人関係に困難さがみられるなど、通常の実習指導では指導が行き届きにくい学生に対して、いかなるかかわりを行っているのかについて明らかにすることを目的として研究を行った。調査は、実習指導教員5人の協力を得て、養成校として該当学生に対してどのようなかかわりを行っているのか/行ってきたのか、について半構造化インタビューを実施した。 その結果、次の3点が明らかになった。①実習に関する配慮・援助では、教員間による学内連携や保育現場との学外連携のもと、該当学生の特性を考慮して個に応じた指導が工夫されていた。実習履修の可否を見極める判断基準があり、判断結果を保護者と共有するなど保護者へも丁寧なかかわりがなされていた。②就職を見据えた配慮・援助では、複数の視点で保育者としての適性を見極め、該当学生の自己理解に向けたかかわりが行われていた。該当学生に対して保育以外の仕事に就くよう進路変更を促すなどなど、該当学生が社会に出る前の最後の砦としての責任が養成校にはあると捉えられていた。また保護者の意向もくみとりながら、学生の実態との調整が図られていた。③就職してからの配慮・援助では、職場での対人関係の築き方をめぐる助言を具体的に行い、職場で躓いた場合には仕事の適性に関して検討が行われていた。 これらの結果をふまえて実習指導教育が該当学生にきめ細やかで丁寧なかかわりを行う理由とかれらへの影響について考察した。理由は、保育職はおとなからの保護や付与がより必要とされる乳幼児とかかわる対人援助職であることから、実習指導教員は、子どもに対して保育者養成への責任感を強く抱いているからであり、社会モデルで該当学生をとらえているからである。影響は、該当学生が進路選択を行うにあたって必要とされる、「自分を知り、受け入れ、人と関わる自信や安心感の醸成」であると考察された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響及び2021年度に実施した全国調査の分析に時間がかかったことなどの理由により、当初計画していたインタビュー調査が2023年度にずれ込むことになったが、ほぼ当初計画通りの成果を得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまでの研究成果の公表に重点をおく。日本保育学会第77回大会自主シンポジウムにおいて、対人関係に困難さがみられる学生に対する進路選択を見据えた養成校のかかわりに焦点を当て、参加者とともに議論を深めていく。
|