研究課題/領域番号 |
20K02680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
金井 智恵子 和洋女子大学, 人文学部, 准教授 (00611089)
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研究分担者 |
津村 徳道 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00272344)
太田 晴久 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00439366)
土居 裕和 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40437827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 発達障害 / 自律神経活動の計測 |
研究開始時の研究の概要 |
ASDの有病率は1%と極めて高い。ASD児の社会適応・予後改善における早期介入の重要性が指摘されているが、それを担える専門家の数は限られているため、ASDハイリスク児のスクリーニング法を開発することが強く求められている。本研究では、非接触型バイタルセンシング技術を応用した、情動反応非定型性を指標としたASDハイリスク児スクリーニング技術を開発する。本研究の成果は、発達段階に適した支援につながる科学的エビデンスを社会に提供できると期待されるため本研究の臨床的意義・社会的波及効果は極めて大きい。
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研究実績の概要 |
本研究では、ASDの自律神経活動を計測することを目的としている。昨年度に続き、今年度は、実験準備を行い、その後、成人の定型発達15名、ASD14名を対象に、情動喚起音響刺激データ ベースIADS(Lang, Bradley & Cuthbert, 2008)に含まれる、5つの感情(幸福、怒り、恐怖、悲しみ、嫌悪、中性)を誘発する音刺激を聴取中の自律神経活動を 計測した。計測では、自律神経活動計測においては、従来型のポリグラフ装置を用いた自律神経活動マルチモーダル計測と、顔動画像を用いた非接触型バイタル センシングによる自律神経活動計測を同時に実施ができるように準備をした。また、心理行動指標としては、TAS-20トロント・アレキシサイミア尺度、AQ質問紙、ADOSを実施した。来年度は、実験、解析後に、海外の論文に投稿する予定である。 またASDの治療についても、103名 ASD男性を対象にして、オキシトシンの新しい鼻腔内スプレーを実施した。その結果、以前よりも低い投与量でピークを示す逆U字型の用量反応曲線が明らかになった(yamasue et al., BRAIN. 2022)。今後もさらに大規模調査により効果を明らかにする必要がある。 さらに、小児期の子どもを対象とした研究として、大学において地域連携型インクルーシブ保育を実施した。インクルーシブ保育によるグループ「子どもグループ」「保護者グループ」の実施により、学生教育だけではなく、保護者にとっても、学生や子ども同士の触れ合い、他の保護者との交流などの場になった。また、「保育者グループ」向け動画に関する質問紙調査を実施したところ、発達障害や発達が気になる子どもに関して、手軽な方法で専門家から学ぶことができる貴重な機会になった。そのため、今回の取組は、専門性の高い学生の育成、子どもと保護者の居場所作り、保育者の学びにつながる可能性がある(金井他、和洋女子大学紀要 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はコロナウイルスの影響により、予定より遅れが出たため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の3点を中心に研究を進めていく。第一には被験者のリクルートを行い、成人ASDの視線計測を実施する。パイロット研究として、定型発達の成人を対象にして実験をすることにより、ポジティブデータが得られた。そのため、実験を行う。第二には、実験後、解析を行う。第三には、海外に向けて成果報告を行うために、論文を投稿する予定である。 計画が順調に進めば、さらにスクリーニング技術の開発から治療へと包括的なアプローチを検討する。
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