研究課題/領域番号 |
20K02687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 静岡産業大学 |
研究代表者 |
佐藤 寛子 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 准教授 (10823700)
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研究分担者 |
中井 真吾 静岡産業大学, スポーツ科学部, 准教授 (30795381)
吉田 茂 別府溝部学園短期大学, 教育学部, 特任教授 (60829349)
島田 達生 大分大学, 医学部, 客員研究員 (80080555)
坂本 智則 大分大学, 医学部, 助教 (40894514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 母指中手指節関節過伸展症 / ハサミ操作 / 母指中手指節関節不安定症 / 援助法 / 保育内容の理解と方法 / 造形あそび / 造形表現 / 発育発達 / 幼児 / 母指MP関節 / 過伸展 / 巧緻性 / 造形遊び / 手指 / 発達 / ハサミ / 母指MP関節過伸展症 / はさみ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は母指中手指節(以下、MP)関節が不安定であることから、母指操作の不具合や当該関節の炎症や疼痛を招く「母指MP関節過伸展(不安定)症」を課題とする。外科的治療が必要な重度罹患者と異なり、軽度罹患者は運動を制御することで不具合や疼痛を回避しようとするため、実態は不明である。 本症は先天性の症例報告があることから、保育現場で軽度罹患幼児が看過されている可能性がある。 そこで本研究では、本症罹患幼児の実態調査を行い、先天性の本症罹患率、本症罹患幼児の発達過程、本症罹患幼児のハサミの使用における保育者の援助・指導上の留意点を導出する。さらに本症の要因を解剖学・形態機能学の視点から明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は幼児における母指MP関節過伸展症の実態調査とその援助方法である。重度の場合は医学的治療対象となるが、軽度の場合はこれまで実態が不明であった。そこで研究者らは、母指MP関節伸展角度の実態調査、伸展角度と本症の関係、伸展角度と巧緻性の関係、母指MP関節過伸展症児への援助法、本症の組織学的要因について解明、導出を試みてきた。 現状では、①幼児と大学生(コントロール)の母指MP関節伸展角度の実態について、年齢、性別、左右差についてのデータの収集・分析、②ハサミ操作による母指MP関節過伸展症と巧緻性についてのデータ収集・分析、③母指MP関節伸展角度の実態を踏まえた本症(困り事発生の可能性)の判断基準の導出、④真性の母指MP関節過伸展症児への援助法の導出と検証、⑤子猿の標本を用いた母指MP関節周縁の組織(膠原繊維と弾性繊維)について、光学顕微鏡と電子顕微鏡データを比較、合成することによる視覚化を進めている。 本研究は罹患児の現状の課題だけではない。幼児期に保育者や保護者の認識と援助により、将来、起こり得るであろうQOLの課題を未然に防ぐことを目的としている。軽度過伸展症罹患者の最も重要な課題は自覚であることだ。時たま起こる困り事=QOLの低下を抱えながら、生涯過ごすことである。楽器演奏においては断念せざるを得ないような状況となるケースもあるであろう。また、一旦プログラミングされた手指操作を修正することは難しいことから、早期(幼児期)に保育者や保護者が本症を認め、援助することが必要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由1.コロナ禍により保育所やこども園での実地調査ができなかった。 理由2.子どもの母指MP関節伸展角度の他動可動域を計測する本調査では、検者との間にラポールを形成する必要がある。保育所やこども園での活動は午前中が中心であり、研究協力園の選定に時間がかかっている。現状は研究協力園は遠隔地であり、限られた時間の中で日程調整せざるをえない。 理由3.研究責任者の事務業務や大学運営業務が倍増し、研究に当てる時間が激減したことにより、調査資料の分析が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
上記に対しては、以下の対応を実施、検討中である。 理由1.コロナ禍に対する国の方針が変わり、調査期間を延長し対応している。 理由2.研究仲間の協力を得て、遠隔地ではあるが研究に理解のある園長、研究協力園を検討中である。日程については授業の少ない9-8月、2-3月に集中して打合せを実施する。 理由3.単純作業はアルバイト学生を雇い対応する。 今年度はこれまでの調査データをまとめ、分析、検証し、論文にまとめる。
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