研究課題/領域番号 |
20K02689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
長岡 千賀 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (00609779)
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研究分担者 |
吉川 左紀子 京都芸術大学, 文明哲学研究所, 教授 (40158407)
松島 佳苗 関西医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60711538)
加藤 寿宏 関西医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (80214386)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / コミュニケーション / 作業療法 / セラピスト / 感覚統合療法 / 共創 / 教材開発 / 教材 / 非言語コミュニケーション / マルチモーダル / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
人と人の相互作用において,愛情や愛着の表出は一般に,相互に視線を送ることや身体接触することなどと関連するが,ASD児はそれらを不快と感じる場合があることが示唆されている。では,上述の療育においてどのような相互コミュニケーションが有効であろうか。本研究では,包括的アプローチを取り入れて施されるASD児の作業療法を研究対象とし,ビデオ撮影した各事例について,視線,身体接触,対人距離,身体動作,言葉などを定量的にマルチモーダル分析し,ASD児の適応的行動を引き出すのに有効なコミュニケーションの特徴を明らかにする。得られた知見を経験の浅い療育者や保育者の学びのための教材として提供する計画である。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)児の療育技法として、子どもと養育者の情緒的やりとりのあるコミュニケーションを通して施されるアプローチが注目を集めてきた。本研究では、これまで、このアプローチで行われているASD児の感覚統合療法を研究対象とし、ASD児の適応的行動を引き出すのに有効な関わりの特徴を明らかにしてきた。さらに、発達支援の実践家のスキル向上を目指して、研究成果に基づいてオンライン教材を開発してきた。 本年度は、この教材に新たなコンテンツを追加した。これにより、学習者が実践の場に関連づけてより幅広く深く学べるようにすることを目指した。なお、本教材のユニバーサルデザインの観点が評価され、UCDAアワード2023(主催:一般社団法人 ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会)にて奨励賞を受賞した。 さらに、この教材の学習状況を分析した結果から課題が明らかになった。これを解決すべく、ワークショップを企画、実施した。結果から、本ワークショップは熟達にとって欠かせない省察を促すものであることが確認された。本ワークショップの普及と教材のさらなる改良が今後の課題である。 合わせて、感覚統合療法のセラピスト育成の場でデータ収集を行い、熟達したセラピストがセラピー実施の中で大切にしている方針やセラピー運営の流れを明らかにし、論文で発表した。 このように、研究機関全体を通して、ASD児と熟達したセラピストのコミュニケーションの特徴を明らかにし、その知見を、研究者だけではなく一般の支援者に、誤解なく分かりやすく届けるために、映像コンテンツを用いたオンライン教材の開発、それを活用したワークショップの実施、伝えるための用語についての心理学的検討を行なった。これらの研究の成果は、論文や学会にて発表、オンライン教材(登録制)にて公開してきた。
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