研究課題/領域番号 |
20K02704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
坂本 達昭 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (80710425)
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研究分担者 |
細田 耕平 仁愛大学, 人間生活学部, 講師 (60734803)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 食事 / 自己肯定感 / セルフエフィカシー / 小学生 / セルフエスティーム / 家族 / コミュニケーション / 調理 / 非対面式 / 食事支援 / 自信 / 食支援 / 自尊感情 / 調理スキル / 調理実習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,子どもの成長につながる「新たな食支援」の方法を実証する。新たな食支援では,「料理スキル」と健やかな成長の土台となる「自己肯定感」の向上を目指している。調理スキルと自己肯定感に着目した理由は,以下の通りである。 自宅で料理をする人ほど生活習慣病になりにくく,調理スキルは生涯に渡る健康増進に寄与する可能性がある。また,生活困窮層の子どもほど自己肯定感が低く,自己肯定感の低さは問題行動等に関与している。自己肯定感を高めることにより,そうした課題を改善できる可能性がある。有用な食支援の方法論を構築することを通じて,各地で展開されている食支援の質の向上につなげる。
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研究実績の概要 |
コロナウイルス感染症の拡大により対面型の食事提供等の食事支援の実施が難しい状況にある。そこで,2020年から,高学年児童(小学校4~6年生)を対象に,自宅で調理動画を視聴し,調理を行う非対面型の食事支援プログラムを試行してきた。その結果,当プログラムは,調理経験を通じて,家族の良好なコミュニケーションを促し,参加者の自己肯定感を高める可能性が示唆された。 今年度は,当食支援プログラムの対象年齢を拡大するために,小学校低学年児童向けの新たな非対面式調理プログラムを実施した。このプログラムの実施可能性とその効果を明らかにすることを今年度の目的とした。小学校2~3年生34名を対象として,前後比較デザインにて,2022年7月から8月にかけて全5回(週1回)のプログラムを実施した。プログラムの主たる内容は,参加者が自宅で調理動画を視聴し,調理することである。参加者には,食材および調理手順を解説した動画を提供した。各回の調理終了後,参加者個人にフィードバックのメッセージを送付した。 その結果,調理に対するセルフエフィカシー(数値が小さいほどセルフ・エフィカシーが高いことを意味する)の中央値(25,75パーセントタイル値)は,プログラム参加前18.5(16.0,23.0)からプログラム参加後13.0(11.3,16.0)にかけて有意に向上した(P<0.001)。プロセス評価およびプログラムの効果の評価から,当プログラムは,低学年児童に向けて実施可能であり,調理に対するセルフエフィカシーを高める食支援として有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、これまで実施した研究を論文として,発表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
低学年向けに実施したプログラムの内容について、論文化を進める。
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