研究課題/領域番号 |
20K02707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
和田 美香 東京家政学院大学, 現代生活学部, 准教授 (60760543)
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研究分担者 |
原田 晋吾 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (00827446)
吉永 早苗 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (80200765)
富山 大士 こども教育宝仙大学, こども教育学部, 教授 (90744045)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 個別の指導計画 / インクルーシブ保育 / 発達障害 / 5領域 / ICT化 / 保育者の振り返り / 保育者の情報共有 / 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿 / 保育者支援 / 保育支援システムのICT化 |
研究開始時の研究の概要 |
保育者は障害児に対する個別の指導計画を作成し、それに基づく指導を行うことが推奨されている。しかしながらその具体的な方法に関する支援は少なく、作成率の低い現状がある。また作成されていたとしても形骸化している可能性が指摘されている。本研究ではそれらの課題を解決するためにアクションリサーチを行う。具体的には個別の提案をすべく、特別支援と保育の専門教員で構成された養成校の教員チームが園を訪問し保育者とともに状況を把握し指導の手立てを考え、個別の指導計画作成を行う。複数園でデータをとり、最終的には作成に当たってのポイントや事例を示した「書式例」と「作成の手引き」を作成し、一つのモデルを示すことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、インクルーシブ保育における個別の指導計画作成の促進とその運用システムを構築することを目指している。初年度は、前年度から進めていた質問紙調査の結果を受けて、個別の指導計画の様式の視点から検討を重ねた。様式は「生活と遊びの形式」「療育の視点の形式」「5領域の形式」などに分けられ、個別の指導計画は、保育者間の話し合いのツールとして機能する可能性が示唆された。その記入の項目として挙げられている「5領域」や「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の視点は、保育者の共通言語として有効である点も明らかになった。 2年目はそれを受けて、保育者間のよりよい話し合いの場としての活用やその機能の活性化を目指すためにはどのような工夫が必要なのかという視点からヒアリング調査を行った。調査の中で、ICT活用により効率的な話し合いの場を持つことができ、業務軽減の可能性も示唆された。保育者間の効率的な情報共有が可能となることにより、保育者の振り返りの時間が生成されたのである。関連して行政との連携についても可能性と課題が示唆された。 さらに保育者によるICT機器操作の習熟により、書類作成の負担も軽減されていることが明らかになった。そのような可能性が見いだされた一方で多くの園や保育者において、一般化できるのか、という課題も見えた。 当該年度はその課題を受けて、そのシステム構築を無理なくどの園でも行えるようにするためにはどのようなツールが必要なのか、また行政との連携はどのように工夫できるのか、という視点からヒアリング調査を行った。ICTを長年積極的に活用している園と、行政や地域の園との連携を強化することでその質の向上を可能にしている園に出向き、その実際を現地訪問により調査した。 次年度はこれらのデータを分析し、個別の指導計画作成の過程における園内外の連携について、一つのモデルを示していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2022年の年末までは、思うように現地訪問調査を行うことができず、遅れが大きかった。 2023年になり、少しずつ新型コロナウイルス感染拡大の影響が緩和されてきたため、計画を再開することになった。 2023年3月には、計画より遅れてはいるが、計画していた現地訪問調査をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
インクルーシブ保育の質の向上と保育者の負担軽減を両立させる形での個別の指導計画作成について、現場から得られたデータをもとに、形にしていきたい。 そこには、ICT化の促進と行政との連携が、一つの可能性として示唆されている。 調査対象園を中心に往還的なやり取りを行う中で、一つのモデルを作っていきたい。
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