研究課題/領域番号 |
20K02712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
城戸 裕子 愛知学院大学, 心理学部, 教授 (10468225)
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研究分担者 |
牧田 潔 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00455560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 防災教育 / 保育 / 備え / 感染対策 / 保育所 / 保育士 / 危機管理 |
研究開始時の研究の概要 |
災害は時と場所を選ばず起こりえる自然のものである。多くの保育所は、子どもの命を守るため災害時対応マニュアルの完備があると考えられるが、発災時、保育士が瞬時にそれらから必要な情報を探し、対応するには時間を要する。そのため命を守る術として重要なことは、子ども自身が危機管理能力を習得していることである。 本研究は保育所の園児が遊びを通して習得できる防災教育手法の開発を目的とする。方法として、過去に震災体験のある保育所への調査を実施、災害の種別、子どもの年齢による災害時対応の実際から課題を抽出する。それらを災害の種別ごとに分類し、日常的な遊びや生活の場面を活かした内容の防災教育教材を試案する。
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研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染禍において、感染予防の観点から保育所へのヒヤリング調査の実施困難のため全国調査(質問紙調査)への計画の見直しを図った。全国の認可保育所22750か所を各都道府県の設置数から層化多段抽出法にて調査対象を決定した。結果、500か所の保育所に質問紙を郵送し、回答を求めた。112か所の保育所より回答が得られた。回収率は、22.4%であった。質問紙は、施設管理者に回答を求め、保育所の立地、災害に対する備え、防災に関する備え、移動手段、防災経路やハザードマップの活用、過去の防災経験と被害、児に身につけさせたい所作や防災教育の必要性、防災教育に対して大切にしたいことなどを問う形式とした。過去に被災した災害については、暴風、竜巻、台風、豪雨、豪雪、洪水、 土石流、高潮、地震、噴火の経験ありの回答が得られ、我が国特有の地形がもたらす災害の種別の多さが確認できた。また、児にもっとも身につけさせたい大切な所作は、「大人の話を聞く」であった。次いで「危険を大人に知らせる」、「大人を探す」であった。通常、児への防災教育ではね「おはしも(押さない・走らない・しゃべらない・もどらない)」の語が周知されているが、本調査では選択数が低かったことが特徴であった。避難時の所作として「おはしも」は有用であるが、まず大人(保育士)の指示を正しく理解することを保育者が優先する姿勢が明らかとなった。 現在、上記質問紙から得られた事例から災害時に必要な防災知識や所作について、行動分類を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国調査(質問紙調査)への計画の見直しを図ったことで、全国の保育所から貴重な回答が得られた。施設管理者に回答を求めたことで、保育所の防災への取り組み方、備蓄、災害時の地域や保護者との関係性などの現状を把握することができた。また災害種別の問いは、過去に被災した災害について防災白書に基づいて種別を抽出した。暴風、竜巻、台風、豪雨、豪雪、洪水、土石流、高潮、地震、噴火経験についての被災経験の現状が明らかとなった。我が国特有の地形がもたらす災害の種別の多さと立地形態による各保育所の防災への対策が明らかとなった。また地域のハザードマップの周知度、海抜など被害に関係する情報の周知に差異があることも明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
全国質問紙調査結果をふまえ、「防災絵本」の着手と完成を目指す。完成した絵本については、調査協力先への配布を予定している。また子育て支援センター利用の保護者に配布し、可能であれば防災訓練後の読み聞かせ会を開催する予定としている。(開催予定地 静岡県)
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