研究課題/領域番号 |
20K02713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 桜花学園大学 |
研究代表者 |
上村 晶 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (60552594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 関係構築プロセス / 自律的可視化 / 意識変容 / 若手保育者 / Parallel-TEM / 子ども理解 / TEA / 保育者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、初任・若手期の保育者における「子どもとわかり合おうとする志向性」の涵養・体得を目指し、子どもとの関係構築プロセスをParallel-TEMで自律的に可視化する取組が、保育者自身の意識変容にもたらす影響を明らかにすることを目的とする。 具体的には、二者関係性を尋ねるインタビューと、Parallel-TEMを用いた関係構築プロセスの自律的な可視化に関して、縦断的実施及び比較を通じて、保育者の意識変容の差異を明らかにする。また、子どもとわかり合おうとする志向性の涵養・体得、二者関係における俯瞰的視点の獲得などへ影響をもたらす外的要因を質的に解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、Parallel-TEMを用いた子どもとの関係構築プロセスの自律的可視化による保育者の意識変容を明らかにすることである。初任・若手期の保育者6名へ協働的可視化と自律的可視化の2つの取組とインタビューを隔月に2年間実施し、わかり合おうとする意識の推移をライフライン・メソッドとTEMで分析した。その結果、保育者が関係構築プロセスを可視化することは、子どもとわかり合おうとする意識を涵養・体得する一助になること、他児との関係構築にも波及的・発展的に捉えて援用できる可能性があること、子どもとわかり合おうとする意識は保育者を取り巻く周囲の環境の影響を受けやすいことが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、保育者と子どもの関係性という視覚的に捉え難い事象を可視化し、わかり合いの実感の程度をグラフィティカルに描く取組である。保育者自身が日常的に流れ去る子どもとの関係性に注視しながら自ら描き続ける中で、その子との関係性の自覚化だけでなく他児との関係構築にも援用しようとするなど、子どもとの「わかり合い」を波及的に捉える志向性の体得につながるという意義がある。 現在、不適切保育などが社会的に注目される中、本取組を研修等で活用することは、一方向的な子ども理解から「子どもと共に創る理解」へと保育者の意識変容を促す一助になり、保育者と子どもの共主体的な視座の獲得につながると考える。
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