研究課題/領域番号 |
20K02715
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
平沼 博将 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (70333268)
|
研究分担者 |
服部 敬子 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (70324275)
高井 由佳 大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (90626368)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 保育事故 / 事故防止 / 安全管理 / リスク認知 / 工程分析 / 眼球運動解析 / 教育・支援システム / 施設支援 / 保護者支援 / 教育システムの構築 |
研究開始時の研究の概要 |
教育・保育施設等で子どもが死亡する事故が後を絶たない。国も事故防止策を講じてはいるが、事故防止の取組は自治体や施設任せになっているのが現状である。保育中の重大事故をなくすには、①自治体から保育施設への指導と支援、②保護者との連携や協力のための支援、③保育士への教育・研修システムの確立が重要である。 本研究では(A)自治体による事故防止・安全管理の取組の実態調査と有効な支援策の検討、(B)事故防止パンフレット作成による保護者支援効果の測定、(C)安全に保育を行うための事故防止技術・安全管理体制の可視化・数値化を行うことで(D)実効性のある事故防止・安全管理に向けた支援・教育システムの構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、本研究において実施してきた調査・測定データの分析に基づき、その研究成果を4つの学会で発表した。 日本保育学会第76回大会(2023年5月開催)では、沖縄県那覇市の認可外保育施設で起こった乳児死亡事故に関連するヒアリング調査および乳幼児の重大事故に関する保護者・保育者のリスク認知と対応状況についての質問紙調査の結果などを基に自主シンポジウムを開催し、多様な保育ニーズの受け皿として認可外保育施設が活用され続けている問題や保護者の安全意識を高めることの重要性などについて議論した。 日本応用心理学会第89回大会(2023年8月開催)では、認可保育所(5か所)における食事場面の分析および保育士への意識調査の結果から、事故につながる可能性がある2~3歳児の行動・状態の発生状況や保育士の対応状況には園による違いがあること、そうした違いは各園・各保育士が食事場面において何を重視して保育や食事指導をしているかといった保育観や事故予防に関する知識が関連すると推察されることなどを口頭発表した。 日本人間工学会第64回大会(2023年9月開催)では、認可保育所(4歳児クラス)のプール活動を監視する保育士とプール・ライフガードの視線を計測、比較した結果、保育士はプール内の各幼児を順に注視していた一方、プール・ライフガードはスキャニングと呼ばれる方法で規則的に視線を動かしてプール全体を監視していたなどの違いがみられたことについて口頭発表を行った。 日本睡眠環境学会第32回学術大会(2023年9月開催)では、認可保育所(6か所)における午睡チェックの様子を照度計、眼球運動測定、動画解析によって計測した結果、保育所によって午睡時の保育室の照度に大きな違いがあること、午睡チェックの際に注視したり触ったりして確認する子どもの部位はクラス年齢や保育士間で異なることなどを口頭発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、当初計画していた調査・計測の実施が困難になったことから、研究全体の進捗にも遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では、保育中の重大事故が発生しやすいとされる「睡眠中」「プール活動・水遊び中」「食事中」の場面を中心に、事故防止や安全管理の取り組みに関する調査・計測を実施し、その分析・解析を進めてきた。 今後は、これまでの研究成果を纏めるとともに、必要な追加調査を実施することにより、本研究の最終目的である「保育中の事故防止策や安全管理体制をより実効性のあるものにするための教育・支援システムの構築」を目指す。
|