研究課題/領域番号 |
20K02728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中山 節子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (50396264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 家庭科 / 高等学校 / 評価 / カンファレンス / 思考力 / 調理実習 / 家庭科教師 / 評価者育成 / 評価開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高等学校家庭科教員が生徒に身に付けさせたい資質・能力を省察するプロセスを通じて、評価者としての教員が学習評価の質を高めることができる評価モデルの開発を目的とする。アクションリサーチ型の研究アプローチを用い、評価実践協力者との継続的なカンファレンスを通して、評価者としての教員が学習評価の質を高めていくプロセスを記録し、教員の変容を構造的に捉えることを試みる。高等学校家庭科の評価研究が不十分な状況において、継続的なカンファレンスを取り入れた新しいアプローチを用いた評価研究を実施することにより、高等学校家庭科の学習評価の質の向上さらには授業改善のための新たな知見を得ることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、高等学校家庭科教員が生徒に身に付けさせたい資質・能力を省察するプロセスを通じて、評価者としての教員が学習評価の質を高めることができる 評価モデルの開発を目的とするものである。2022年度に研究者1名と協力教員2名の小グループを設定し、年間を通してのカンファレンスを実施する試みをおこなっている。2023年度は、前年度の試行的運用での課題などを整理し、本格的なモデルとして実施した。まず、2023年度の取り組みを明確にするため、年度初めにカンファレンスを実施し、2022年度の成果と課題を整理した。2023年度は、調理実習と被服分野の2つの単元おいて、観点別評価のうち「思考力」をターゲットとするカリキュラム及び授業デザイン、ルーブルリック評価の検討を実施することとした。また、今年度はオンラインのグループカンファレンスに加えて、個別、対面、授業参観、ゲストを招くなど様々な手立てを用いた。今年度の成果としては2点挙げられる。1点目として、継続的なグループカンファレンスに加えて、様々な形でのカンファレンスを実施し、観点別評価やルーブリック評価について、より深い理解と議論の場となったこと。また、評価研究が授業改善につながったことを実践者自信が認識できたことが挙げられる。2点目として、研究成果の一部をARAHE Beinnial International Congressで口頭発表として報告した。研究概略は、カンファレンスを重ねるごとに、調理実習で育みたい資質・能力とは何かを追究し、思考力を育成するための手立て、評価方法について、量的にも質的にも深まっていることを示すものである。また、「高等学校家庭科における思考力を育む授業デザインと学習評価に関する一考察」として千葉大学教育学部紀要に研究成果の一部をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、教育実践を伴う評価研究であり、教員自身が改善したい分野に沿って、授業改善を含む評価の力量を向上させるというプロセスを踏む。当初、研究のスタートにおいては、研究者1名と協力者1名で、試行的に検討した評価モデルを実施する予定であった。2020年度、2021年度は、コロナ禍で様々な制限があり、教育実践が不十分な状況であり、評価改善においても十分な検証ができなかった。2022年度は、研究者1名と協力教員2名の小グループを作成し、教育実践とその評価に関するカンファレンスを設定し、評価モデルを試行的に実施した。この試行的実施を経て、2023年度は、本格的な実施を試みた。まず、2023年度の取り組みを明確にするため、年度初めにカンファレンスを実施し、2022年度の成果と課題を整理した。2023年度は、調理実習と被服分野の2つの単元おいて、観点別評価のうち「思考力」をターゲットとするカリキュラム及び授業デザイン、ルーブルリック評価の検討を実施することとした。また、今年度はオンラインのグループカンファレンスに加えて、個別、対面、授業参観、ゲストを招くなど様々な手立てを用いた。この研究成果の一部は国際学会で研究成果を公開した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、COVID-19の影響により、概ね1年程度の遅れを取っている。そのため、当初の研究期間を1年間延長している。今年度は、研究計画の変更によって、十分に検証できなかった点について実施する。また、研究の最終年度として、研究成果のまとめも行う。具体的には、2024年度は、2つの小グループで継続的なカンファレンスを持ちながら、評価研究を実施する。既に2つの異なる県の計4校に研究協力を得ている。現在、それぞれ初回のカンファレンスを実施し、評価についての現状と課題の確認をし、実施する研究テーマを設定した。研究成果の報告としては、日本家政学会大会にて2023年度の研究成果の一部を報告する。2024年度の研究成果については、千葉大学教育学部紀要や国際関係の学会誌への投稿を行うことを予定している。
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