研究課題/領域番号 |
20K02733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
虫明 眞砂子 岡山大学, 教育学域, 教授 (90206847)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 合唱指揮 / 表現 / 立ち位置 / 仕方 / 意図 / 影響 / 歌うこと / 指揮者 / 身体 / 音楽授業 / 指揮 / 役割 / コロナ禍 / 弾き歌い / 息の流れ / 合唱 / 団員 / 意識 / 変容 / 演奏 / 可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
合唱表現における合唱指揮の役割は重要であると思われるが,日本には欧米の音楽系大学の合唱指揮科のような合唱指揮者の養成機関が少なく,合唱指揮は,個々の指揮者の力量に委ねられている。合唱指揮者によって,合唱者の歌声や表現が大きく変化することに着目し,本研究では,「合唱指揮」が演奏にどのように影響を及ぼすのかを可視化装置による実験,合唱指揮者・合唱者へのアンケート調査や聞き取り調査等を用いて分析する。それらをもとに,合唱曲作者の意図を汲み取り,豊かな表現に結びつける,演奏者にとってわかりやすい,合唱指揮法を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では,「合唱指揮」の様々な表現に着目し,指揮法が演奏にどのように影響を及ぼすのかを分析し,合唱曲作者の意図を汲み取り,豊かな表現に結びつける,演奏者にとってわかりやすい,合唱指揮法を検討することを目的としている。このような指揮は,最も多くの児童生徒が対象となる,歌唱授業での適用を第一の目標としている。 2023年度は,これまでに実施した,アンケート調査と合唱指揮の比較実験(2020年度~2022年度)を分析することにより見出した知見を整理検討し,研究をさらに進めるために,科学的に視覚化して検証する音カメラによる音響実験を行った。この音響実験は,新型コロナウイス感染による影響で延期を余儀なくされていた実験で,実験場所も,当初予定していた株式会社熊谷組研究所無響室から岡山大学の教室に変更し,実施に至った(株式会社熊谷組の大脇雅直氏,財満健史氏との共同研究)。 音響実験では,教育現場での歌唱授業で想定される典型的な指揮を取り上げ,指揮者の立ち位置の違いが児童生徒の歌唱に及ぼす影響と指揮の仕方が歌唱に及ぼす影響に分けて測定した。実験はAB2つの状況を設定した。A状況(指揮者の立ち位置による変化)では,指揮者が音楽教室でのピアノ位置と合唱者の前の2形態,B状況(指揮者の指揮の仕方による変化)では,指揮者が合唱者の前で,音楽的な表情を入れた指揮とそうでない指揮の比較実験を行った。 2023年度の研究成果の実践発表として,教育学部音楽教育講座第71回定期演奏会第3部の合唱コンサートにおける合唱曲全曲の指揮を行った。さらに,研究代表者(虫明)の最終講義において,講義「歌声の溢れる音楽科の授業」(合唱指揮を含む),および「ミニコンサート」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は,コロナ感染症の影響で遅れていた音カメラの音響実験や合唱指揮等を実施できたが,研究のまとめが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,本研究全体のまとめをする予定である。2020年度から2023年度に行った音楽教員へのアンケート調査や合唱指揮の比較実験で見出した知見を統一的に整理分析し,音カメラによる音響実験結果と合わせて考察することで,本研究をまとめていく。合唱指揮者等へのインタビューや声楽・オペラ・合唱コンサート等の音楽鑑賞,演奏発表等も積極的に行う予定である。状況に応じて,研究計画・方法を柔軟に修正していく。
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