研究課題/領域番号 |
20K02743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
坪井 龍太 大正大学, 人間学部, 教授 (30440374)
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研究分担者 |
高瀬 顕功 大正大学, 社会共生学部, 専任講師 (90751850)
齋藤 知明 大正大学, 人間学部, 専任講師 (80646224)
増渕 達夫 帝京大学, 教育学部, 教授 (10882954)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 特別の教科道徳 / 少数者 / 宗教 / 人権 / 教科書 / 特別の教科 道徳 / 多数者 / 公正 / 道徳教育 / 市民性教育 / 寛容(宗教的寛容) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本社会の現状に即した、少数者の権利保障のための道徳教育のあり方を考える基礎的・実証的研究である。現在、「トレランス-寛容」を教育現場でいかに育むかが重要な課題であり、そのために公正の概念について、児童・生徒は学ばなければならない。従来この領域は社会科、道徳などで行われてきた。本研究では、まず中学校道徳で扱われる公正の実態を明らかにし(基礎的研究)、公正とは何かを考える教育プログラムを開発する(実証的研究)。そのために、教育学と宗教学の研究者が協働して研究組織を構築する。少数者の権利保障ための教育を考えることは、これからのシチズンシップ教育のあり方にもつながる重要なテーマである。
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研究実績の概要 |
2020年度にスタートした本研究であるが、コロナ禍に見舞われ、2022年度も3年続けて、当初予定通りの研究の進捗が困難な状態であった。本研究が基礎的・実証的な研究を目指しているものの、実証的研究の部分は中学校学校現場での授業の検証が必要となるが、教室に研究者が入り込むのは感染拡大防止のため、躊躇せざるを得なかったためである。そのため、2022年度も2021年度と同様に、学校現場に即した実証的研究よりも、基礎的な研究に絞り込まざるを得なかった。本研究は学校現場での教員経験を有する2人の教育学者と、寺院の僧侶も務める2人の宗教学者からなるが、4人の研究者がそれぞれの専門性を活かしながら、中学校道徳科の発展に資する基礎的研究を行うこととした。 道徳科の教科書分析については、2021年度購入の検定済教科書に加え、2022年度はいわゆる「指導書」も購入し、教材選択のねらいなど分析を深めた。宗教学の2人は、それぞれの専門性を活かした論文の作成に取り組み、2人とも学会誌に査読付論文を掲載することができた。学会発表にも意欲的に取り組み、その内容は本研究の課題に大きく関連するものであった。 また教育現場に関連する研修会講師は、2022年度は11件に取り組んだ。また研究代表者は生命倫理にかかる学会ワークショップでオーガナイザーを務めた。2022年度は道徳科の学習内容にかかる基礎的な研究を深めることができたと言えるが、道徳科の学習方法にかかる実証的な研究は不十分であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究の概要」に示したとおり、コロナ禍で実証的な研究の進捗は大幅に遅れている。東京都新宿区に加え、本学の所在する東京都豊島区内の公立中学校との連携可能性は深まっており、基礎研究に留まらない成果を研究最終年度まで追究したい。
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今後の研究の推進方策 |
「少数者の包摂のための道徳教育」という本研究の当初の枠組みを維持しながら、2022年度は人権教育一般にウィングを広げ、「個人と社会の関わり」だけでなく、「個人と個人の関わり」にも注目した道徳教育の在り方を模索した。2023年度で中学校道徳科(特別の教科化)5年目を迎える。草の根の成果にも目を配るべく、離島を含めた国内の中学校現場に足を運ぶ。また本研究で当初予定していた国外研究も、その可能性を探りたい。
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