研究課題/領域番号 |
20K02754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
溝口 昭彦 岩手大学, 教育学部, 教授 (40779948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 絵画技法 / 美術科教育 / 絵画表現 / 美術教育 / 混合技法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、青年期に見られる写実的表現欲求とその未達成感から生じる絵画表現離れを軽減するための実践研究である。特に中学校から高等学校美術における絵画題材および表現材料の連続性と発展性を考慮するとともに、課外活動を含める絵画表現導入として、青年期に有効な表現方法と材料選択の考え方を実践研究する。その具体的な内容は、表現者の観察環境を整えることや、材料や技法の選択において、複数の描画材を段階的に使用することである。この表現方法は、観察と表現の調整力を高めるとともに、段階的な表現材料の使用は、メタ認知の効果を生みだし、制作行為により作者自身の成就感の生成が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、青年期における絵画表現の危機を克服することを目的とした。その原因の一つを写実表現の未達成感と仮定して、描画材を段階的に使用する過程において、題材観察によって得られた知覚と表現を意識化することにより、自己表現の肯定感を高めることを解決策とした。 実践研究においては、色鉛筆、アクリル絵具、油絵具を段階的に併用する高校生対象の授業試案を教材開発して、芸術系高等学校で実践研究を進めた。その結果、油絵具の使用は、芸術系高等学校では効果があるが、普通科高等学校の美術1を対象とした場合、実施に必要な時間や技法の専門性においての課題が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、絵画専門教育と美術科教育学の架橋的研究を実践したことにある。その成果として、絵画表現における材料特性や技法を、受講者の知覚と表現に関連付けることにより授業試案を教材開発できたことにある。また、その授業試案は、幅広い表現欲求に対応可能にするため、2種類の授業試案で構成した。 社会的意義としては、高等学校の授業や部活動で実施可能な条件を満たし実践研究を進めたことや、公開研究会の実施とその報告書を高校教員に送付することにより研究成果を情報共有できたことにある。その情報共有は、高等学校美術授業への描画材の段階的併用技法導入につながり、青年期における表現離脱克服の一助になる。
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