研究課題/領域番号 |
20K02756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
京免 徹雄 筑波大学, 人間系, 准教授 (30611925)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | キャリア教育 / ポートフォリオ / ナラティブ / キャリア・カウンセリング / 対話 / 学級活動 / 意思決定 / 授業研究 / eポートフォリオ / 特別支援学級 / 授業分析 / キャリア・ポートフォリオ / 時間的展望 / 学びの発展性 / 学習としての評価 / カリキュラム・マネジメント / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ポートフォリオの活用方法とその成果について日本・アメリカ・フランスの3ヶ国を比較分析することで、多様な社会的背景をもつ児童・生徒が時間的展望をもって自律的に人生の物語を紡ぐことができるキャリア教育のしくみを創出する。 日本では新たに「キャリア・パスポート」が導入されたが、キャリアの省察と展望を促進するために、記録をどのように活用してガイダンスとカウンセリングを実践するかが課題となっている。特に、異なる環境に生きている児童・生徒に対して、理論に依拠した対話的アプローチを展開することが求められおり、取組の先行する国の制度と事例を調査することで、効果的な活用方法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、キャリア・ポートフォリオの活用方法について日・米・仏の3ヶ国を比較することで、多様な社会的背景をもつ児童生徒が時間的展望をもって自律的に人生の物語を紡ぐことができるしくみを創出することである。 本年度は第1に、フランスの中学校の特別支援学級におけるeポートフォリオの活用方法に関する分析を継続し、情報探索と記録作成という2つの側面から、その効果について考察した。その結果、情報探索については、個人のペースに応じた活動、探索方法の理解、探索に対する安心感、興味に応じた情報の絞り込み、「入口」としての情報受容、という効果が見出された。また、記録作成については、公開の拒否する権利の保障、間接的な相互交流、記録作成の習慣化・日常化、省察の習慣化・日常化、真正な状況の意識化、という効果が明らかになった。 第2に、海外調査から得られた知見をもとに、小学校におけるキャリア・ポートフォリオを用いたキャリア・カウンセリングの理論化を試みた。前年度に定式化した「価値付け、つなぎ、語らせる」対話技法のうち、価値付けたエピソードの「つなぎ方」に焦点化し、学級活動(3)の授業を分析した。その結果、児童の自己理解と教師の児童理解をつなぐ、②因果関係をつなぐ、③時間や場面を越えた児童の成長をつなぐ、④児童の多様な見方をつなぐ、という4つの手法によって、教師は子どもの過去から現在における些細な変化や成長を捉え、未来に向けたストーリーの構築を支援していることが示された。このうち、①と②の手法は専門職による成人対象の実践でも活用されている。それに対して、③と④は、教師と児童が長期間にわたって集団で生活する学校ならではの手法といえる。差し迫った進路選択のプレッシャーのない時期に、信頼できる多様な他者との対話を通して物語力を高めることは、青年期における複雑なアイデンティティ形成に備えることにもつながる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外での調査・分析を完了し、その成果について日本キャリア教育学会の学会誌に査読付論文を掲載することができた。本研究のゴールである、多様な社会的背景をもつ児童生徒が時間的展望をもって人生を歩むことができるポートフォリオの活用モデルについても、日本での実践分析を入れたことで、日本の文脈に合致したモデルの構築に向けて前進することができた。 一方で、新型コロナウィルス感染拡大の影響で海外フィールドワークが大幅に遅れたこともあり、活動モデルの開発は途上段階にある。とりわけ、中等教育段階における日本での実践分析が不足している。このような理由から、補助事業期間の再延長を申請し、承認された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査結果を、①教員によるポートフォリオの活用とカウンセラーとの連携、②カウンセラーによるガイダンス・カウンセリングにおける理論の応用、③生徒の多様性、特にリスクを抱えた児童・生徒へのアプローチとその成果、④小・中・高等学校をつなぎ時間的展望をもたせるための工夫とその成果、という4つの視点から整理する。その知見を活かして、日本の中学校を対象に学級活動における「キャリア・パスポート」の活用方法を開発し、最終成果を国内外の学会で発表する。
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